【指導参考事項】
オ−チャ−ドグラス導入に関する試験
−冬枯れと刈取および施肥との関連−
(昭和44〜45年)
根釧農試 土壌肥料科

・ 目 的
 オ−チャ−ドグラスはチモシ−に比べて再生力で勝る反面冬枯れに弱く、普及上の障害となっている。そこで利用条件、施肥条件の面から、この対策について検討する。

・ 試験方法
 1. 供試品種  オ−チャ−ドグラス「北海道在来」
 2. 試験区別
      刈取処理 A1回刈9月10日  B2回刈9月30日
             C2回刈10月20日 E2回刈11月10日
      施肥処理 N.P.K.NP.NK.PK.NPK.-F.2F-PK.2P-NK.2K-NP.2NPK
       施肥量  N;4.P2O5;10.K2O;12kg/10a
      被害調査 5月22日 


・ 試験成果の概要
 1. 造成当年に於ける2回刈は1回刈に比べて被害度が高くなり、2回刈間では被害度に大きな変化はなかった。
 2. 施肥の面からはN増施により被害度は高まり、特に、N単用2N、−K区で高い被害度を示した。
 3. オ−チャ−ドグラスの茎部のTACは積雪下で急激に低下し、一方、T-Nはこの間で濃度が高まった。TACとT-Nの相関は越冬前よりも、融雪直前で高く現れた。
 4. TAC/Nと被害度の関連は1%水準で有意関が認められた。
 5. 以上の結果から、冬枯れの対策として、TACを高め、T-Nを低める方向、TAC/Nを高める方向が望まれ、刈取の面からは造成当年に於ける2回刈の危険性が予測され、施肥の面からはN増施に伴う被害度の上昇から、N施用量が問題となる。また欠如で被害度が高くK施用の効果を認めた。一方Pの増施はTAC/Nを高める効果が認められた。以上

        刈取処理とT-N                            施肥処理とT-N



        刈取処理とTAC



          施肥処理とTAC



   刈取処理別TAC/Nと被害度



    施肥処理別TAC/Nと被害度


・ 普及指導上の注意事項