【指導参考事項】
てん菜作の展開と生産組織の再編
(畑作経営の共同化労働合理化に関する研究 (1))
昭和43〜46年
北農試 畑作部機械化経営研究室

・ 目 的
 畑作経営の規模拡大にともなって、労働集約的なてん菜作作付が停滞傾向にあるが、これには労働力のひつ迫と相mつて生産組織に規制されている点が少なくない。そこでてん菜作付の拡大に対応した生産組織のあり方を提示しようとする。

・ 試験方法
 てん菜作の先進的展開を示してきた十勝の畑作経営における苗移植作業、収穫作業の生産組織集団を対象に作業日報記帳、実態調査を行い、機械と労働組織との関係を解析し、主題への接近を図った。

・ 試験成果の概要
 大規模経営のてん菜作付停滞は、てん菜の労働収益が高いために、小規模経営で作付拡大が図られ、生産組織を通じて、大規模経営の労働力の組織的利用がむずかしくなってきたことと、生産組織の構成農家数が多いために、機械の稼働効率と労働能率との均衡がくずれ労働多投的な様相を示していることによる。
 したがって、現行の機械利用を前提とした場合は、機械の稼働効率を引き下げても、組作業人員を縮少−生産組織の構成農家数規模の縮少−して、労働効率を高めることが、作付拡大の可能性を作り出すと言える。
 また小規模な生産組織では、機械の稼働効率を低めても、労働効率が高い機械の採用によって、作付拡大の可能性が示唆されている。
 以上のことから、生産組織化にあたっては、経営規模の拡大を考慮し、それに応じて組織の改編が可能となるよう、流動的調整機能をもたせる必要がある。

・ 主要成果の具体的デ−タ
 第1図 てん菜作の年次推移と作付の階層性

                    耕地面積 (ha)


 第2図 労働力構成と作業能率

 
         収穫作業の組作業人数 (名)


・ 普及指導上の注意事項
 てん菜の作付規模の拡大をふまえた機械利用の費用分析が残されていること。