【普及奨励事項】

1.　課題の分類　　ニワトリ 2.　研究課題名　　 　　　　　　　　　　　　　−滝川Z×Pについて− 3.　期　間　　昭和41年〜 4.　担　当　　滝川畜試・家きん科 5.　予算区分　　道単 6.　協力分担　　農林省種畜牧場および府県関係機関

7.　目　的
　本道に適応した耐寒・強健性の高い優良実用鶏を作出する。

8.　試験研究方法
　(1)　十数系統間の組合せ試験
　(2)　Z×Pを含む主要4組合せの現地実証試験
　(3)　経済検定における民間コマ−シャル鶏との比較
　(4)　その他の調査

9.　結果の概要・要約
　(1)　70余の組合せの中でZ×P(WL-Z系雄×RI+P系雌)の成績が最も優秀であった。
　(2)　Z×Pの能力は、養鶏農家における現地試験でも実証された。
　(3)　Z×Pの能力を民間コマ−シャル、ノ−リン101と比較すると次のようになる。
　　ア．強健性、早熟性、産卵率、日卵重は優れている。
　　イ．飼料要求率、卵質はほぼ同一レベル
　　ウ．飼料消費量、体重はやや劣る。
　(4)　道改良増殖目標に比較すると、体重以外は目標数値に達し、あるいはすでにそれを上まわっている。
　(5)　以上のことからZ×Pは、現段階で道産優良実用鶏として、普及を図るに足りる採卵鶏であると判断される。

10.　主要成果の具体的数字
　Z×Pの標準能力比較

	育成率	成存率	50%産卵 到達日令	ヘンデイ 産卵率	10ヵ月令時 卵　　重
Z×P	97% 以上	88% (90以上)	150日	78%	58g
民間コマ−シャル	99	81	161	69	60
道改良増殖目標	95 以上	90 以上	160	70 以上	−
ノ−リン101	96 以上	87 以上	165 以下	72 以上	58

	日卵重	1日1羽当 飼料消費量	飼料要求率	10ヵ月令時 体　　重
Z×P	45g	120g	2.7 以下	2.250g
民間コマ−シャル	40	108	2.7	1.800
道改良増殖目標	−	−	2.7 以下	1.700〜 1.800
ノ−リン101	42	−	2.7 以下	1.800 以下

11.　今後の問題点
　Z×Pは、飼料消費量、体重等の面でまだ若干改良の余地が残されている。しかし、Z×Pという交配様式でこれらの問題を克服するのは困難であり、新たな系統造成を含む育種の展開が必要である。

12.　次年度の計画(成果の取扱い)
　(1)　上記の育種試験は早急に進める必要がある。
　(2)　Z×Pの普及、供給に関しては別途協議が必要である。