【指導参考事項】
1. 課題の分類 D-15 供試作物 牧草 2. 研究課題名 ウインドロ−被覆用長尺ビニ−ルシ−ト保定具 3. 期 間 昭46〜48 4. 担 当 新得畜試 種畜部 馬産科(福井 孝作・大森昭治) 5. 予算区分 道費 6. 協力分担 なし |
7. 目 的
近時、乾燥調整の過程で降雨対策として、ウインドロ−に長尺ビニ−ルシ−トをかける方法がかなり行われている。その場合シ−トの保持に肥料等の空袋に土砂を入れて、おもしの代わりに使用しているが運搬が容易ではない。そこで、温床用ビニ−ルシ−ト保持用として使われているエバ−クリップを活用して、長尺ビニ−ルシ−トを保持するとともに乾草調整の効率化を図る。
8. 試験方法
シ−ト(巾3m×長さ50m)1枚分として
(1) 材料
1) エバ−クリップ34ヶ
2) ササ釘34本(太めのササがない場合は硬質ポリエチレン管製代用)
3) バキュ−ムサイロ用雌雄クリップ2mぐらい。
4) 古チュ−ブで幅13mm長さ2.4mのゴム紐8本。
(2) 材料の取付け
1) エバ−クリップを曲げてシ−トを挟む状態にして、ササ釘を中央に通す。
2) 8本のゴム紐の両端にササ釘を通したクリップを取付ける。
3) シ−トの一方から1)と2)のクリップを交互に取付けて、クリップの頭を焼付ける。
9. 結果の概要
風洞実験の結果、全くおもしを用いない場合は、わずか風速6.4m/秒、風圧0.3〜0.8kg/m2以上の風に耐えられなかったが、本保持用具を使用した場合は、おもしを5mごとにおく方法と同様に耐久限界は14.5m/秒、1.5kg/m2程度であった。
10. 主要成果の具体的数字
風速 (m/秒) |
処理/ 風圧 (kg/m2) |
改良後 | 改良前 | |
5mごとに砂袋 | おもしなし | |||
0.4 | 0.1以下 | ○ | ○ | △ |
6.4 | 0.3〜0.8 | ○ | ○ | × |
10.6 | 0.9〜1.3 | ○ | ○ | × |
14.5 | 1.5以上 | △* | △** | × |
11. 今後の問題点
(1) シ−ト破損した場合はバキュ−ムサイロ用クリップで継ぎ合わせて使用すると便利である。
(2) シ−トは巻取っておくと次に使う場合便利であるが、この巻取機は現在試作中である。
12. 成果の取扱い
(1) ササ釘の太さが6mm以下の場合は、硬質ポリエチレン管製の代用釘を用いる。長さはどちらも10cm程度が望ましい。
(2) 穴をあけるとき、エバ−クリップには鳩目パンチを、ゴム紐には皮パンチを必ず使用し、その他の方法は好ましくない。
(3) バキュ−ム用雄クリップを雌より若干長く切ることがたいせつである。
(4) シ−トに取付けたエバ−クリップの頭を焼きつけることを忘れてはならない。この場合、コテの温度はセロハンが焼けない程度がよい。
(5) ウインドロ−の寄せ集めは重ねないこと。
(6) ゴム紐はシ−ト幅に合わせて、じゅうぶんに引張ってササ釘を地面に差し込むが、その角度は45°となること。
(7) 以上のシ−ト1枚分で調整できる面積は約10aとする。ただし、生草収量で3.000kg/10a程度とする。