【普及奨励事項】
スイ−トコ−ン「十生7号」に関する試験成績
                 十勝農業試験場

・育種目標  早生、多収、良質品種の育成

・来歴
 昭和45年にカナダのオンタリオ園芸試験場より早生、良質の20自殖系統の分譲をうけ、同年より既存自殖系統との組合せ能力の検定開始。
 昭和47〜49年 生産力検定試験
 昭和48〜49年 系適および現地試験
 V574:Vineland試験地で(Me100×V3)OPenより育成
 Ma21547:マサチュウセッツ農試育成

・特性の概要
 1. 形態的特性
  稈長および、着穂高はゴ−ルデン・ビュウテイとゴ−ルデン・クロス・バンダムの中間で、分けつ数は少ない。全葉数は約14枚で有効雌穂数は多い。
 2. 生態的特性
  熟成は、ゴ−ルデン・ビュウテイより約4日おそく、ゴ−ルデン・クロス・バンダムよりは15日内外早い早生種。剥皮穂重はゴ−ルデン・ビュウテイに比しかなり多い。耐倒状性は中位、すす紋病抵抗性は弱。
 3. 雌穂および加工特性
  絹糸色は内外共に無色、穂重はゴ−ルデン・ビュウテイよりやや大きい。粒列数は平均13.4行。粒色は鮮黄色で早生種として極良好。食味、芳香ともに良く、クリ−ム鑵詰加工向。
 4. 採種栽培
  ♀畦対♂畦の比は、4:1で同時播種

 十勝農試における成績 (47〜49年平均)
品種名



(本)



(月日)



(月日)



(cm)



(cm)


(cm)


(%)








(枚)
十生7 0.7 8. 5 8. 28 164 48 1.5 3 0.3 0.3 14.2
G・B 0.3 7. 30    24 131 29 1.5 0 0.0 0.0 12.4

品種名 10a当り収量 (kg) 平均
穂重
有効
穂長
(cm)
穂径
(cm)
粒列数
(行)
穂揃
有効穂数
(本)
剥皮穂重
G・B比
(%)
十生7 496(本) 92.0 113(%) 187(g) 16.0(cm) 4.3(cm) 13.4(行) や良
G・B 441 81.5 100 185 15.2 4.3 12.3

 各試験地における成績
場 所 品種名 抽糸期
(月 日)
収穫期
(月 日)
倒状
(%)
分けつ数
(本)
a当り
剥皮穂重
(kg)
B・G比
(%)
平均
穂重
穂長
(cm)
北農試 十生7 8  2 8  24 0 1.3 106 126 209 18.0
G・B 7  27    18 0 0.8 84 100 183 16.8
北見農試 十生7 8  9 9  1 0 1.6 98 122 229 16.9
G・B    3 8  26 0 1.4 80 100 187 16.1
中央農試 十生7 8  2 8  20 0 1.7 104 115 210 18.1
G・B 7  29    20 0 1.6 91 100 202 17.3
原々種農場 十生7 8  1 8  21 2 0.8 90 121 200 19.0
G・B 7  26    15 1 0.5 75 100 169 16.9
北海製鑵 十生7 8  1 8  23      3.0 150 134 214   
G・B 7  31    20 2.5 112 100 217

 現地試験成績
48年a当穂重 十生7 121.3kg(126%) 49年a当穂重 十生7 141.8kg(110%)
(3ヶ所平均) G・B 96.2(100) (5ヶ所平均) G・B 128.8(100)


 適応地帯−全道のスイ−トコ−ン栽培地帯における生食、加工兼用種としてゴ−ルデン・ビュウテイと配合。
 栽培上の注意−ゴ−ルデン・ビュウテイの栽培法の準じ栽植密度は4500〜5000本/10a内外とする。
 普及見込面積−4.000ha
 配付し得る種子量−V574 1.8kg
             −Ma21547 20.0
             −F1 種子 8.5