【指導参考事項】
1. 課題の分類 水田 (機械) 2. 研究課題名 育苗床土の採土作業体系 3. 期 間 昭和49年 4. 担 当 中央農試機械部 5. 予算区分 道費 6. 協力分担 中央農試専技室 |
7. 目 的
大規模共同育苗施設で使用される床土の採取作業及び運搬、集積、加工処理の体系を確立する。
8. 試験研究方法
1) 試験場所 | 長沼町20区 及び 8区、秩父別町、鵡川町、東鷹栖町 |
2) 処理面積 | 長沼町20区 : 70ha分、長沼町8区:100ha分 秩父別町 : 50 〃 鵡川町 :100 〃 東鷹栖 : 100 〃 |
3) 供試機 | 採土機 XEB1900 ロ−タリハロ−直結型 ロタリ−ハロ−:クボタFH1900(4段変速) 仕様 :採土機重量600kg(ロ−タリ410kg、バケット190) 全長1270、全高1045、全巾2120 バケット寸法 −横550、高さ590、巾1900、 〃 溶量−0.2〜0.4m3 |
9.結果の概要・要約
1) 採土量は、採土深さ、作業速度、ロ−タリ回転数によって異なり、作業速度を一定(0.55m/s)とすると、ロ−タリ回転数259rpmで採土深さ10mmでは約8t/10a、15mmでは11t/10a、20mmでは15t/10a、25mmでは18t/10aが採取できる。
2) 砕土率は、回転数採土深さによる変化はなく、5mmφ以下の土壌割合が70〜80%である。
3) 採土能率は、30〜40t/h(27〜32a/h)であった。
4) 積込みは、フロントロ−ダで行い、積込み能率は約50t/h(50a/h)であった。
5) 運搬は、2t積ダンプ或いは1.5t積平トラック2台の組作業で行い52t/h(52.2a/h)であった。
6) 床土は、夏季に巾4m内外、厚さ20cm内外とし、ロ−タリによって2〜3回攪拌し、有機物等の資材を同時混合する。その後列状堆積とし貯蔵する。
7) 組作業では、50PS級トラクタ2台(採土、積込み)小型トラックが必要で、春季水田表土が30%前後で作業が可能である。
10.主要成果の具体的デ−タ
1) 採土量及び砕土率 (長沼、秩父別の成績からFord 5000、FIAT 640)
作業 速度 (m/s) |
ロ−タリ 回転数 (rpm) |
採土 深さ (mm) |
採土量 | 砕土率 (%) | 土壌 水分 (DB%) |
表面積 係数 |
|||||
バケット 1回当り (kg/回) |
10a当 (t/10a) |
9.52 以上 |
9.52〜 4.76 |
4.76〜 2.38 |
2.38 以下 |
||||||
1 | 0.55 | 259 | 10 | 50.6 | 6.64 | 12.0 | 16.0 | 22.0 | 50.0 | 23.76 | 37.25 |
2 | 0.55 | 343 | 10 | 102.8 | 13.73 | 12.5 | 17.5 | 19.5 | 50.5 | 22.55 | 37.07 |
3 | 0.60 | 259 | 15 | 170.4 | 11.40 | 9.0 | 13.5 | 22.0 | 55.5 | 27.23 | 39.77 |
4 | 0.55 | 343 | 15 | 153.2 | 9.68 | 8.0 | 14.0 | 25.0 | 53.0 | 24.69 | 39.21 |
5 | 0.55 | 249 | 20 | 109.1 | 14.29 | 13.0 | 18.0 | 19.0 | 50.0 | 27.55 | 36.76 |
6 | 0.55 | 343 | 20 | 157.6 | 20.69 | 17.0 | 20.0 | 20.0 | 43.0 | 29.53 | 33.68 |
作業面積 (a) |
採土時間 (分 秒) |
排出時間 (分 秒) |
旋回時間 (分 秒) |
合計時間 (分 秒) |
作業能率 (a/h) |
備 考 | |
長沼町 | 19.76 | 21 27 | 18 55 | 4 53 | 45 15 | 26.2 (26t/h) |
|
秩父別町 | 14.40 | 24 27 | 6 25 | 3 16 | 36 43 | 23.5 (30t/h) |
ストップ 2'55'' |
作業面積 (a) |
積込回数 (回) |
積込時間 (分 秒) |
運搬時間 (分) |
処理能率 (組作業) (a/h) |
運搬距離 (m) |
|
長沼町 | 19.76 | 28 | 23 04 | 23 00 | 51.56 | 500 |
秩父別町 | 20.83 | 32 | 26 41 | 28 00 | 44.63 | 800 |
堆積形状 (巾m・長m・厚cm) |
堆積容量 (m3) |
混合量 (%) |
原土 (PH) |
ピ−トモス PH |
混合 PH |
堆肥 PH |
堆肥混合 PH |
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長沼町 | 4.4 2.5 2.5 | 27.5 | 20 | 5.2 | 4.2 | 4.8 | 8.1 | 5.6 |
秩父別町 | 4.3 5.3 2.2 | 4.98 | 20 | 5.4 | 4.6 | 4.6 | − | − |
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→ |
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11. 今後の問題点
採土ほ場は水下の水田を利用し、深さは最大20mm位とする。マット苗床土分は約1.0haで100ha分を確保できるから、採取水田は毎年移行する。