2.研究課題 花ユリ「4503」に関する試験成績 3.期 間 (昭41〜50) 4.担 当 山谷 吉蔵 5.予算区分 道費 6.協力分担 なし |
7.目 的
露地切花用、促成切花用、花ユリの育成を行ふ。花色鮮明で球根生産の容易な、耐病、促成容易で茎の強いもの。
8.試験研究方法
昭和41年、旧岩宇園芸試験地で3711(えぞ透百合×新木幸)を母とし、F系(金剛成×エンチヤントメント)を父として交配、1461粒の種子実生より昭和44年開花、45年に2系統を選抜、予備増殖を行い、中央農試へ移植して検討を行い49年より露地、促成の切花用として検討を行って来た。
露地裁倍)植付期49年10月12日 畦巾70cm×10cm
促成栽培)堀上49年8月1日、予備冷蔵8月1日〜8月18日18日間、本冷蔵8月19日〜9月20日33日間、植付期(トロ箱)9月20日、以後野外自然放置 加温10月20日〜(夜間最低5℃)使用球 径5cm球(予備冷蔵15℃ 本冷蔵0℃)
9.結果の概要・要約
「4503」の露地開花は6月下旬から7月上旬頃で、花色濃黄色で横向、花被弁の斑点が少いスカシユリで草丈30〜40cm位、葉はやや細葉で水平に着き、やや照葉である。
茎は緑色で直立、珠芽は着かない。木子の着生は少い、球根は白色で扁球形でやや小球リン片の抱合せは繁っている。
促成栽培で8月上旬堀上げ、冷蔵50日間位で年内開花が出来る。茎は強く花はやや小形となり花色は鮮黄であるが次第に濃黄色となる。蕾地切花、促成用切花、花壇用に適する。
10.主要成果の具体的数字
(1)生育状況調査
品種系統名 | 開花期 | 草丈(cm) | 花数(ケ) | 花(cm) | 20株当り球の大小(ケ) | ||||||||||
年 49 |
年 50 |
年 49 |
年 50 |
年 49 |
年 50 |
花径 | 花弁長 | 花弁巾 | g70 以上 |
g50 以上 |
g30 以上 |
計 | 屑 | 木子数 | |
月日 | 月日 | ||||||||||||||
4503 | 7.1 | 6.75 | 40.0 | 29.3 | 2.5 | 1.7 | 15.3 | 9.3 | 3.9 | 6 | 14 | 20 | − | 11 | |
えぞ黄金(比) | 6.19 | 6.20 | 37.0 | 21.7 | 3.5 | 2.9 | 11.3 | 8.5 | 5.1 | 10 | 7 | 17 | 3 | 15 |
(2)促成適名調査
品種系統名 | 開花期 | 草丈 (cm) |
葉数 (枚) |
花 | 葉 | 花数 1本当り |
花色 | 花色 | 球根の大きさ | |||
花径 | 花弁巾 | 花弁長 | 巾 | 長 | ||||||||
月日 | cm | cm | cm | cm | cm | ケ | (径)cm | |||||
4503 | 1.5 | 58.0 | 34.6 | 13.1 | 2.5 | 8.7 | 1.2 | 7.0 | 2.4 | 鮮黄 橙黄 |
横向咲 受咲 |
5.1 |
えぞ黄金(比) | 12.15 | 49.0 | 37.4 | 14.2 | 4.2 | 8.0 | 10 | 55 | 2.4 | 5.3 |
(3)主要特性
品種 系統名 |
花 | 球根 | 茎 | 葉 | その他 | |||||||||||
蕾の毛 (向) |
色調 | 形 | 花序 | 花梗 | 色調 | 抱合せ 形 |
着色 | 地下茎 | 珠芽 | 木子 | 数 | 着生 | 形 | 高出葉 | ||
4503 | (横) なし |
濃黄 | スカシ形 横向 |
輪生 | 強い 40〜70cm |
白 | 貝形 緊り良好 |
緑 基部 |
直立 | なし | 有 少い |
(枚) 60 |
密水平 | 扱針形 | やや巾広 | 蕾の基部に淡褐の 着色あり |
いぞ黄金 (比較) |
(上) 有り、中位 |
橙黄 | スカシ形 上向 |
輪生 | 普通 20〜48cm |
白 | 細長 緊りやや軟 |
緑 基部淡紫褐 |
直立 | なし | 有 少い |
80 | 散 ヤツ下垂 |
扱針形 | やや巾広 |
11.今後の問題点
露地栽培(球根養成)の栽植密度と促成用球根栽培法。冷蔵感度の検討。
12.次年度の計画(成果の取扱い)
冷蔵感度の検討。