【普及奨励事項】

加工トマト　品種 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　北海道立中央農試 　　　　　　　加工トマトの新品種に関する試験 　　　　　　　　　　　　　　「早生だるま」 期　　間　　昭和47〜51年 予算区分　　指定試験(系適試験) 協力・分担　富良野農改

1.担　　当　　中央農試園芸部花きそ菜科

2.目　　的　　早熟多収品種の選定

3.試験方法
　　生産力検定試験設計

場所＼項目	年度	は種期 (月日)	定植期 (月日)	栽植密度 (cm)	施肥量kg/a			収穫期間 (月日)	防除 回数
					N	P2O5	K2O
中央農試	昭51	4.15	5.25	120×40	0.7	1.5	1.0	8.10〜9.27	11回
	50	5	26	〃	〃	〃	〃	8.8〜9.19	9
	50	20	26	〃	〃	〃	〃	〃	〃
	49	5	24	〃	〃	〃	〃	7.26〜9.13	6
	49	5	24	80×30	〃	〃	〃	〃	〃
	48	2	28	120×40	0.5	1.2	〃	8.6〜9.19	5
	47	10	6.7	〃	〃	1.6	〃	8.11〜9.28
北毎製缶 研究所	50	4.8	6.5	120×45	0.4	1.68	0.96	8.15〜8.23
富良野 農改追	50	4.1	6.4	120×30	0.4	1.25	0.4	8.8〜8.25	6
	49	5	8	120×45	0.6＋0.6追	1.2	0.6＋0.6追	8.7〜9.30	8

　　　　　　　　　1区10〜16株　2区制　対照品種「フアイヤボール」「ウルバナ」

4.結果および考察
　「早生だるま」の特性概要
(1)植物体　苗の生育は「ウルバナ」なみの強い草勢を示し、定植後も同様てある。芯上り性は強く、有効分枝が多いため早期の着果が良好である。枯葉期もおそくリーフカバーも良好である。初収穫は「ウルバナ」より10日程度早く「フアイヤボール」なみである。
(2)耐病性　特に耐病性は持たないが、病害には強い方である。
(3)収　量　着果が早期から安定しており、早生種のため前期から全期間を通じて多収である。特に低温年でも未熟果は少なく有効果割合が高い。さらに圃場での腐敗果数は「フアイヤボール」より少ない。
(4)果　実　1果重は80g前後でやや小果であるが、赤色球形て外観は良好である。裂果も少なく果肉の色調はすぐれ、加工適正は良好である。果実は堅く運搬中のロスも少ない。
(5)総じてやや小果だが早熟、多収品種である。

5.主要な試験データ

検定結果

場所	品種系統	年度	収穫始 (月日)	前期収量 (kg/a)	全期収量 (kg/a)	前/全期 (%)	1果重 (g)	腐敗果率 (%)	裂果発生 程度 (%)	糖度 (%)
中央農試	早生だるま	51	8.10	109	1,009	10.8	70	9.7	1.0	5.0
		50	8	115	794	14.5	78	12.4	15.0	4.0
		50	8	80	682	11.7	81	19.8	-	-
		49	7.26	35	809	4.3	62	7.0	21.8	9.0
		49	26	56	997	5.6	59	12.8	-	-
		48		461	1,094	42.1	62	7.0	5.7	-
		47		134	1,242	10.8	70	-	2.6	5.0
		平均		141	947	14.9	69	11.5	9.2	4.5
	フアイヤボール	51	8.10	202	811	24.9	107	16.1	17.0	5.0
		48	6	147	554	26.5	78	13.7	9.7	-
		47	11	202	727	27.8	92	-	17.0	4.0
		平均		184	697	26.4	92	14.9	14.6	4.5
	ウルバナ	51	8.17	39	618	6.3	131	17.6	3.5	4.8
		50	8	119	659	18.1	146	13.1	18.5	4.4
		50	18	46	631	7.3	139	7.6	-	-
		49	2	14	573	2.4	10.7	17.7	15.7	4.0
		49	2	28	730	3.8	96	17.6	9.8	-
		48	13	213	910	23.4	109	14.0	10.2	-
		47	18	108	913	11.8	112	-	12.1	5.2
		平均		81	719	11.3	120	14.6	11.6	4.6
北海製缶 研究所	早生だるま	50	8.15	123	598	20.6	62	20.3	6.6
	フアイヤボール	50	8.15	260	851	30.6	41	17.2	4.7
	ウルバナ	50	8.15	146	345	42.3	92	49.2	8.8
富良野 農改	早生だるま	50	8.8	44	338	13.0	52
		49	12	120	1,048	11.5	-
	ウルバナ	50	8.8	61	153	39.9	81

特性表

項目＼品種	苗の 生育	生 育	着 果 性	リーフ カバー	熟期	収量			果実					形質		摘　　要
						前期	全期	1果重	外観	堅さ	肉色	糖度	障害果	裂果	フハイ
早生だるま	3	2	2	3	1	1	1	3	1	1	1	1	1	2	1	対照品種 「ウルバナ」 に対し 1.優れている 2.同程度 3.劣っている
フアイヤボール	2	3	1	3	1	1	3	3	2	2	2	2	2	3	2
ウルバナ	2	2	2	2	2	2	2	2	2	2	2	2	2	2	2

6.今後の問題点

7.指導上の注意事項
　(1)苗時代から草勢が強いので密植にならぬよう注意するとともに定植後は特に耐病性はもっていないので栽培後半の病害の防除に十分注意する。
　(2)収穫労力削減のため収穫は7〜10日毎でよい。