【指導参考事項】
ベビーオニオンの栽培に関する試験成績
                                 北農試作物第2部園芸作物第2研究室
試験年次  昭和48〜51年
担  当  小餅昭二、田中征勝

目  的
 タマネギの小型のもの(ベビーオニオン)をピックルスあるいは水煮として缶詰やビン詰め、冷凍として利用する途があり、わが国での実用化を図るためその栽培法と品種の検討を行なう。

試験方法
項目\年次 昭和48 49 50 51
供試品種 Sapporo-ki Sapporo-ki
Copper Gem
SpartanBrnner
Sapporo-ki Sapporo-ki
Southport White Globe
Southport White Globe
         Hi-Solids
New Mexico White Grano
Crystal White Wax
は種期 4月24日
5月4,14,24日
4月26日
5月7,17日
4月30日 4月27日
は種量 2,4,6,8,10万粒/a 8,10,12万粒/a 6,8,10万粒/a 7,10,13万粒/a
は種法 散ぱん 散ぱん 散ぱん,条はん 散ぱん
施肥量
Kg/a
N,1.5 P2O5,5.0
K2O,1.5
左同じと5割増 N,1.1 P2O5,2.5
K2O,1.0
収穫期 9月26〜28日 9月30日 9月22、23日 9月24日
10月14日

試験成績の概要
 1)ベビーオニオンとして最も作り易く多収の品種としては「札幌黄」があげられる。また耐病性、貯蔵性では「札幌黄」に劣るが、加工後の外観的品質では白球系が勝り「Southport White Globe」が有望と考えられる。
 2)ベビーオニオンのは種期は前年までの結果から4月下〜5月上旬が適期で収穫期は「札幌黄」「Southport White Globe」で9月下〜10月上旬と考えられる。
 3)前年までと同様、平均一球重は栽植密度の指数関数として表すことができ、単位面積当りの総収量は密度の増加にともなって増加する。
 4)ベビーオニオンの大きさは5〜30g前後が望ましいと考えられるが、平均一球重20〜30gのとき〜30,〜50gの球重のものの割合が高く(55〜95%)、適栽植密度はa当り10万粒のは種量を規準にすれば実用的には問題がないと思われる。

主要成果の具体的データ


図-1 苗立数と平均一球重との関係(48〜51年 札幌黄)

表-1 主要品種の生育ならびに収量調査結果(1976)
品種\項目 は種量
万/a
発芽期
月/日
倒伏期
月/日
苗立数
本/a
総収量
kg/a
良球
収量
kg/a
重量別頻度分布(%)
〜10 11〜
20
21〜
30
31〜
40
41〜
50
51〜
Sapporo-ki 7 5/17.0 9/8.0 10533 645 610 6.9 6.8 8.4 9.4 14.1 54.4
10 5/17.0 8/30.5 13567 698 642 9.1 10.1 10.4 10.1 12.7 47.6
13 5/16.5 9/1.5 19350 773 698 10.6 15.2 13.6 13.4 13.8 33.3
Southport White
Globe
7 5/17.5 9/17.5 14833 701 623 16.5 8.2 8.1 11.4 10.4 45.4
10 5/17.5 9/4.0 23800 819 768 18.4 12.2 17.9 15.3 13.5 22.6
13 5/17.0 9/4.5 26200 821 722 22.4 16.6 10.1 12.8 14.6 23.5

普及指導上の注意事項
 1)種子は発芽率の良いものを使用するが、発芽率の低い場合は、は種量を増加する。
 2)種子はできるだけ均一に散布すると同時に地表面への露出を少なくするよう、ていねいに土と混和、鎮圧する。
 3)密植栽培では病気が特に発生し易いので通風の良い場所を選び、早期予防、防除に注意すること。