【指導参考事項】
1. 課題の分類   3—(1) 施肥・播種(水稲)
2. 研究課題名  水稲多条条播機の開発、改良試験
3. 期 間     45年〜
4. 担 当     北海道農試機械化第2研究室
5. 予算区分   経常(場特定)
6. 協力分担   なし

7. 目 的
  カルパー剥離の少ない繰出機構とあわせて播種精度の高い接地部を持つ大型直播機を開発する。

8. 試験研究方法
 1)繰出部の改良と性能:前年開発したロール(,複列ラジアルツース型ロール)は粉衣直後の高水分(22〜23%以上)で剥離、脱ぷなどの問題があり、フランジ型ロールを開発して粉衣法、水分別に繰出し性能をみた。粉衣法は手もみ法と回転ドラム法の2つ、水分は粉衣直後の高水分、20%前後、15%前後の3段階である。
 2)接地部の改良:前年は湛水場播機(10条)を試作したが、今年は、泥炭地水田における無代かき直播(乾田)をねらい、代かきロータ(2.4幅、263rpm)直装の8条播も同時に行なうために左右スイング課の菜ローラを装着した。
 今年度は場内水田(火山灰質埴土)でその作用を確認する。

9. 結果の概要・要約
 1)繰出部の性能
  (1)ポパール(のり材)を使用して手でもみながらカルパーを粉衣した種子における繰出し性能は図—2のようにロール回転が増す戸播種量もやや増えるが、昨年型のロール(図中記号C)に比してカルパー剥離は2/1〜3/1に低減した。
  (2)メチルセルローズ(0.38%)を噴霧しながら回転ドラムで攪拌しカルパーを粉衣した場合はカルパーは幾分剥離し易い形で粉衣される。しかし、試作ロールは図—3に示すように、カルパー剥離は前回同様に低い井値であった。昨年型のロールではロール速度が速い場合に繰出量が不安定になることと、連続繰出しでは種子箱底部にブリッジを生じ繰出量が少なくなるとともにカルパー剥離は水分25.1%の種子で18.8%に達した。
 試作のロールは安定した繰出性のを示した。
 2)接地部の性の
播種機の作溝・覆土性の砕土状況や泥炭せん維、夾雑有機物の多少の他に、圃場の局所的な凸凹にも影響されるが、場内水田での観察の結果若干深播き(13〜20㎜)になるのでシューの接地面積を大きくする必要があるものの土塊の引っかかりが少なく均一に鎮圧縷々野が認められた。

10. 主要成果の具体的データ

  図1 試作ロ−ルの形状


  図2 高水分粉衣籾での結果(1)
     (水分26.7%、附着率76.6%)


  図3 高水分粉衣籾での結果(2)
     (水分25.1%、附着率71.3%)


  図4 試作播種機の概要
       (30cm×8条)




  図5 播種精度の1例

11. 研究上の残された問題点   (1)10〜12条用大型機の試作
                     (2)代かき条播機への改良検討
12. 次年度継続有無
        有