【普及奨励事項】   (分類番号)  (整理番号)
作物育種 課題の分類 OA 1-a 18 131-1
場所名  北海道農業試験場
新品種候補系統名  Tunika

来歴:Lu56・186/21N×Lu51・183/2より1967年に東ドイツで育成、昭和46年北海道農業試験場に導入。昭和49年ジャガイモシストセンチュウ抵抗性の検定、昭和50年以降生産力検定試験。

特性:
 茎長は農林1号よりやや高く茎葉黄変期は農林1号とほぼ同じである。葉色、茎色ともに淡緑色、花は白色、塊茎は球型、皮色は黄褐色で肉色は黄色、目の深さは農林1号並である。
無線虫ほ場でのいも収量は農林1号よりやや低いがでん粉価が19-20%で農林1号より高いためでん粉収量は農林1号並である。線虫ほ場では農林1号、紅丸より多収となるが、線虫が根に侵入して減収となる。
本品種の栽培跡地の線虫密度は植付時より70〜80%低下する。
疫病低抗性は農林1号並でYウイルスの当代感染は農林1号に似る。

試験成績:
(1)育成地における成績(昭和50〜52年、3カ年平均)
品種名 黄変期
月日
茎長
cm
株当り
上いも

1コ
上いも
1個重
g
上いも
収量
kg/10a
標準比
%
澱粉量
kg/10a
標準比
%
澱粉価
%
Tunika 9.24 69 3.6 95 3,391 94 640 102 19.9
農林1号 9.23 59 3.6 137 3,602 100 625 100 18.4
紅丸 9.26 63 4.5 95 4,228 117 712 114 17.9

(2)普及見込地帯における成績(昭和50〜52年、3カ年平均)
 a 無線虫ほ場
品種名 株当り
上いも

1コ
上いも
1個重
g
上いも
収量
kg/10a
標準比
%
澱粉量
kg/10a
標準比
%
澱粉価
%
備考
Tunika 12.3 97 4,456 98 714 108 17.3  
農林1号 10.1 124 4,533 100 661 100 15.5
紅丸 13.1 117 5,175 114 710 107 14.6

 b 線虫ほ場
品種名 株当り
上いも

上いも
1個重
g
上いも
収量
kg/10a
標準比
%
澱粉量
kg/10a
標準比
%
澱粉価
%
乾土1g中の
健全卵数
収穫期/植付期
Tunika 9.2 85 2,859 108 472 114 17.5 31%
農林1号 6.8 105 2,658 100 414 100 16.5 199
紅丸 7.2 86 2,295 86 344 83 15.9 200

種いも保有量:220㎏

採用予定県:北海道

栽培適地および普及面積:
 道央のジャガイモシストセンチュウ発生地帯
 普及見込面積 1,000ha

栽培上の注意:
 1)線虫密度の高いほ場では本品種でも減収するので、輪作、殺線虫剤施用などの防除手段をこうずること。
 2)線虫密度の低いほ場では感受性品種と適宜交代して栽培する。
 3)無線虫ほ場で生産された種いもを用いること。
 4)線虫ほ場で生産されたいもはでん粉原料以外に使用しない。
 5)施肥量及び栽植密度は紅丸に準ずる。