7. 目 的
換気量を決めるには換気回数が使用される。しかし,効率的な換気手段,ハウスの形状など具体的指針を求めるには,外的条件と通気方向,通気量を直接求められるのが便利である。そこで通気量と限界ハウス長の関係を求めた。
8. 試験方法
(1) 数学モデル「電子計算機による通気量変化にともなうハウス内温度環境の変動予知」(S50)の数学モデルを使用(50年北農試機3研報告参照)
(2) 供試ハウス,適合度の証明のために切妻式ビニールハウス(間口8.4m,棟高3.5m,長さ48.0m作目,キュウリ・トマト)を供試した。
(3) 物理定数,文献および上記プラスチックハウスでの長期温湿度測定デ−タをもとに答試法的方法で推定した。
9. 成果の概要
1. 供試ハウスは長辺方向に通気するプラスチックハウスでハウス面の温度差より(冬期・夏期共も)長辺方向の温度差が大きい。(図省略)
2. 供試した物理定数では,南中時前後における通気方向の温度変化と計算値が適合するようである。
(第1図参照)
3. 第2図に排気面の限界到達温度を35℃とした場合の,吸気温度と排気温度の差(第2図,横軸)と限界温度到達距離(以下,限界ハウス長という)の
関係を示した。
第2−a図は通気量をパラメータとした場合であり,第2-b図は水平面日射量をパラメータとした場合である。
4. 第2図より,外乱条件の暖和に必要な通気量,限界ハウス長を読みとることができる。プラスチックハウスでの南中時頃の温度変動の推定には供試した定数で,概ね良好であった。
10. 主要成果の具体的デ−タ

第1図 ハウスの長辺方向の距離
a 通気速度別
(条件,600kcal/m2hr) |
b 日射量別
(条件,0.3m/s) |
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出入口温度差℃(排気口−吸気口) |
第2図 温度差と限界ハウス長