【指導参考事項】

1.課題の分類 2.研究課題名　　枠苗の苗素質向上に関する試験型 3.期　　　間　　昭48〜51年 4.担　　　当　　北見農試 5.予算区分 6.協力分担　　上川農試・稲作部稲2研

7.目　的
　型枠苗の苗素質向上を図るため、播種量を異した商品について検討する。

8.試験研究方法

年次	品種	播種期 (㏄/箱)	移植期 (月日)	育苗 日数	苗代床施肥量(g/㎡)
					N	P2O	K2O
48	おんねもち	100.150	5.26	31日苗	27	36	27
49	きたこがね	100.150	5.25	30日苗	27	36	27
51	きたこがね	120.150	5.25	29日苗	36	45	24

年次	苗代期追肥	本田施肥量(㎏/a)			栽植密度	移植方法
		N	P2O	K2O
48	移植前7日N.P1g	0.50	0.60	0.40	27.8株/㎡×4本植	手植
49	移植前10日N.P1g	0.50	0.60	0.40	〃	〃
51	−	0.75	0.90	0.60	〃	〃

9.結果の概要、要約
　1)移植時の苗素質において100㏄播は150㏄播より乾物重でまさり、苗の充実度(乾物重/草丈の高い苗がえられた。
　2)各年次については、100㏄播が150㏄播に比べて乾物増加量でややまさっていた。
　3)各年次共に移植後順調に活着しているので播種量による本田の初期以降の生育および収量差は認められなかった。
　以上のことから播種量100㏄による苗素質の向上は認められるが、播種量間での低温適応性に関する差は、本試験の範囲では大差がないと考えられる。

10.主要成果の具体的数字
　1)移植時の苗素質

年次	播種量 (㏄/箱)	草丈 (㎝)	CV	葉令 (葉)	ＣＶ	第1梢高 (㎝)	分けつ	地上部乾物重 (g/１００本)	乾物重 /草丈
昭48	100	10.9±1.06	9.7	3.0±0.14	4.7	3.0	0.10	1.88	1.72
	150	12.8±0.84	6.6	3.1±0.20	6.5	3.1	0	2.29	1.79
昭49	100	10.6±0.80	7.5	3.2±0.19	5.9	2.8	0.94	2.35	2.22
	150	11.7±0.96	8.2	3.2±0.17	5.3	2.7	0.30	2.24	1.91
昭51	100	11.0±0.98	8.9	3.0±0.12	4.0	3.2	0	2.27	2.06
	150	10.7±0.92	8.8	2.9±0.18	6.2	3.3	0	1.85	1.73

　2-A)本田における初期生育*

年次	播種量 (㏄/箱)	草丈 (㎝)	分けつ	葉令 (葉)	乾物重(g/100本)		地上部乾物 増加量　(g)	乾物増加率
					地上部	根
昭48	100	13.9	0	4.1	3.70	0.75	1.82	197
	150	13.3	0	3.8	3.35	0.40	1.06	146
昭49	100	13.5	1.50	4.3	3.27	1.13	0.92	139
	150	14.0	1.00	4.0	3.13	1.30	0.89	140
昭51	100	19.4	0.90	5.2	8.63	-	6.36	380
	150	18.4	0.58	4.9	7.15	-	5.30	386

　注)*48年：根を除去して移施、移施14日後調査
　　　49年：移植後13日目
　　　51年：移植後17日目の調査

　2-B)移植後の気温条件　　　(単位：℃)

年次	移植後5日間平均気温	初期生育期間*の平均気温
昭48	12.4	12.2
昭49	10.8	10.8
昭51	14.1	14.6

　3)本田における生育、収量

年次	播種量 (㏄/箱)	茎数(本)		穂数 (本)	出穂期 (月日)	玄米重 (㎏/a)	玄米比率	不稔
		**	***
昭48	100	18.0	28.9	21.3*	8.1	33.1	100	45
	150	18.2	29.1	22.4	8.1	33.2	100	44
昭49	100	10.8	20.4	20.6	8.1	48.3	105	6
	150	12.2	20.9	20.7	8.2	45.9	100	5
昭51	100	15.9	-	24.0	8.4	37.2	104	33
	150	14.7	-	25.8	8.5	35.7	100	35

注)**は、48：6月26、49年：6月23日調整
　***48年：7月13日　　49年：7月2日に調査