【指導参考事項】
メロン 作型、栽培一般
道南農試
施設野菜の周年栽培体系確立試験
6月どりメロン栽培技術試験
(3)育苗に関する試験

2.目 的
 この作型における着果の安定に資する育苗管理条件について検討する。

3.試験方法
 ①育苗夜温に関する試験
試験区別   育苗最低夜温10、15、20℃
温度処理は本葉1枚展開時から15日間。地温は15℃共通、昼温は20〜30℃成り行き。
栽培概要   は種期3月1日 定植期4月4日 その他品種試験に準ずる。

 ②苗質に関する試験
試験区別   苗質老苗、標準苗、若苗。
栽培概要   は種期2月18日、3月1日、3月10日定植期4月4日
育苗最低温度15℃ 床土量600mL/鉢/株

 ③育苗日数と定植条件に関する試験
試験区別   育苗日数  45、40、35、30、25日
定植条件  標準区:最低気温・地温15℃土壌適湿 (処理期間定植後5日間)
不良区:最低気温・地温10℃土壌乾燥 (処理期間定植後5日間)
栽培概要   は種期2月19日〜3月10日 保加温設定温度15℃ 定植期4月6日
〔供試品種温室メロン「丸遠3号」略称:①②試験のみ  ハウスメロン「北海エース」略称

4.結果および考察
①育苗夜温
 高夜温程苗の生育は進み、定植時における8節目の花芽は、最も進んでいた区の-20℃で「がく片形成初期」であった。開花始は15℃に比べ20℃は2〜3日早く、10℃は3〜6日遅れとなり、でこの遅れが大きかった。花着生は高夜温程安定したが、その影響は、では少なくで大きかった。特に-10℃は不安定となった。
②苗質
 老化苗は徒長的生育があり、でより顕著であった。定植時における8節目の花芽は最も進んでいた-老で「花弁形成初期」であった。定植後、老化苗は伸長抑制、若苗は徒長的伸長の傾向があり、でより顕著であった。開花始ではは種期の差は短縮された。老化苗の花着生が著しく低下した。
③育苗日数と定植条件
 40〜45日苗を不良条件下に定植すると、花着生が著しく低下した。これらの苗は定植時に、9節(40日苗)〜11節(45日苗)までの花芽が原基以上に分化を進めていた。35日苗より若令になるにしたがいこの影響は少なくなったが定植後の徒長的な生育が強まり着果が不安定になるので、この作型の苗としては、35日前後の苗が栽培上安定している。

5.主要なデータ
    ①育苗夜温に関する試験 (50年)
   ②育苗に関する試験 (50年)

 ③育苗日数と定植条件に関する試験 (51年)
 a.定植時苗および条件処理後の生育と花芽分化
ア. 定 植 時 苗 イ. 処 理 終 了 後
育苗
日数
茎長
(㎝)
展開
葉数
生草
重(g)
分化
葉数
主茎節別、側枝1節花芽分化状態 分化
葉数
主茎節別、側枝1節花芽分化状態
8 9 10 11 12 8 9 10 11 12
45日 10.5 5.7 15.5 23.0 26.5
25.0





40日 10.2 5.2 10.9 20.0 26.0
24.0





35日 6.1 4.2 6.1 18.0 20.0
19.0





30日 4.3 2.7 2.9 15.0             
25日 2.8 2.2 2.3 14.0 (●) 16.0
15.5

(●)




 注) □花弁形成始   ◎がく片形成  ○がく片形成始  ▽原基  ●初生突起  −未分化
   上段:標準区  下段:不良区

b.側枝1節における花の着生状態

6.今後の問題点
 良苗の形態的指数策定