【指導参考事項】
サイレージ用とうもろこし「力ルデラ−535」の地域適応性に関する試験成績
                    (適応地域の拡大)
上川農業試験場畑作科
天北農業試験場作物科
天北農業試験場天塩支場

目 的  道北地域におけるサイレージ用とうもろこし外国品種の適応性を検討する

試験方法
1.試験実施場所及び年次
 1)場内  上川農試畑作科(昭52〜53)、天北農試天塩支場(昭50〜53)
 2)現地  中川(昭51〜53)、美深(昭52〜53)、枝幸(昭51〜53)、中頓別(昭51〜53)、歌登(昭51〜53)、豊富(昭51〜53)、猿払(昭52〜53)
2.耕種概要
 各場標準耕種法及び農家慣行法による。ただし、宗谷管内5町村の施肥については昭51〜53共通に堆肥3〜5t/10a、S363 100㎏/10a
3.供試品種
 カルデラ535、ヘイゲンワセ、(参考)ワセホマレ

結果の概要
1.上川北部
 乾総重で10a当り1t以上、TDN収量で800〜1,000㎏/10a程度の収量を得ることができ、乾物中のTDN含量も70%か、それ以上を示す場合が多かった。
2.宗谷支庁管内
 とうもろこし導入の可能な南部及び西部について検討したが、不良年での熟期の遅延、TDN含量の低下が国内産品種より著しい。しかし、平年の気象条件下では、乾総重で10a当り1t、TDNで800㎏/10a内外の収量は期待できる。
3.留萌北部
 上川北部と類似した成績であるが、年次間の安定性はやや高い。年を通じて、国内産品種並かそれ以上の収量性がみられる。
 以上から、「カルデラ535」については上川北部、留萌北部及び宗谷南部、西部で国内産の「ワセホマレ」と配合して利用できると考えられる。

主要成果の具体的データ
支庁 場所 品 種 試験年次 10a当り(㎏) 生総重中
TDN (%)
生総重 生総重 TDN
上川 士別 C 535 52-53 4,188 1,339 978 23.4
ヘイゲンワセ 3,519 1,229 896 25.5
ワセホマレ 3,237 1,2211 891 27.5
美深 C 535 52-53 5,050 1,300 920 18.2
ヘイゲンワセ 3,832 1,111 817 21.3
ワセホマレ 4,196 1,115 830 19.8
中川 C 535 51-52

*
5,524 1,118 752 13.6
ヘイゲンワセ 4,663 983 691 14.8
ワセホマレ (5,227) (1,272) (878) (16.8)
留萌 天塩 C 535 50-53

**
4,280 1,308 965 22.6
ヘイゲンワセ 3,167 1,002 754 23.8
ワセホマレ (3,337) (1,091) (826) (24.8)
宗谷 枝幸 C 535 51-53 5,717 1,309 929 16.2
ヘイゲンワセ 5,424 1,260 901 16.6
猿払 C 535 52-53 5,002 1,200 864 17.3
ヘイゲンワセ 4,619 1,147 830 19.0
中頓別 C 535 51-53 6,068 1,253 867 14.3
ヘイゲンワセ 5,087 1,097 791 15.5
歌登 C 535 51-53 5,559 1,155 798 14.3
ヘイゲンワセ 5,050 1,015 711 14.1
豊富 C 535 51-53 5,589 1,156 822 14.7
ヘイゲンワセ 4,509 951 691 15.3

注1. 宗谷支庁管内は猿払村を除いて各3ケ所の平均値
 2. 試験年次 *53年のみ、**51〜53年

適応地帯
 上川北部、留萌北部、宗谷南部及び西部

栽培上の注意
 とうもろこし一般栽培事項に準ずる。ただし、適応地帯のうち、気象の不安定な地域はさけるようにする。