【指導参考事項】
1.課題の分類  ナガイモ 繁殖 中央農試
2.研究課題名  ナガイモの組織培養に関する試験
3.期  間  昭和55〜57年
4.担  当  園芸部加工料
5.予算区分  道  単
6.協力分担  な  し

7.目  的
 ナガイモの組織培養について,好適培地,増殖方法などを検討する。

8.試験研究方法
(1)カルスの誘導に関する試験
 0.2〜0.3mmの茎頂組織片を無菌的に摘出,生長調節物質等の影響について検討した。
(2)器官分化に関する試験
 カルスからの器官分化に及ぼす生長調節物質等の影響について検討した。
(3)増殖方法に関する試験
 in vitroでの増殖について検討した。

9.結果の概要
(1)カルスの誘導に関する試験
 ①NAA 0.1〜1.0mg/L,BA 0.1mg/L添加のLinsmaier&Skoog培地で効率よくカルスが得られた。
 ②ペーパーブリッジ法 継代30日培養で,良質のカルスが得られる。
(2)器官分化に関する試験
 ①NAA,BA共存培地で誘導したカルスをL&S基本培地に移殖すると,幼植物が得られる。
 ②ペーパーブリッジ法で誘導したカルスは,幼植物再生率60〜70%、寒天培地法で誘導したカルスは20〜60%であったo
(3)増殖方法に関する試験
 ①茎(腋芽を含む)の培養で年間1000培程度の増殖率が得られる。

10.主要成果の具体的数字

11.今後の問題点
 (1)茎頂培養株の変異および生産力
 (2)多芽体誘導のための効率的方法

12.普及指導上の注意事項
 (1)茎頂培養には,花芽着生前の材料を使う
 (2)初代培養には,径2㎝程度の試験管,器官分化,増殖には三角フラスコ,シャーレ等の容量の大きいものを使う。
 (3)鉢上げ後1〜2週間は飽和湿度を保ちながら順化する。
 (4)ムカゴの定植は,5℃3ケ月以上の低温処理を行ない,ペーパーポットには種,発芽後定植する。