【指導参考事項】
様式−3−(1)  
完了試験研究成績  作 成(60年12月)
1.課題の分類  総合農業 作業技術 耕うん・整地1
           北海道 農業物理 畑作機械 耕うん・整地1
2.研究課題名
   耕耘整地作業における省燃料作業方法(プラウ耕)
3.予算区分  経常
4.研究期間  完 (57年〜60年)
5.担  当  北海道農試畑作部 機械化栽培研究室
6.協力・分担関係  な  し

7.目  的
 大型機械を使用した作業での作業条件と燃料消費量との関係を,プラウ耕作業について検討する。

8.試験研究方法
 1)トラクタPTO軸出力燃費特性の測定
  48PS,63PS,90PSトラクタ
 2)トラクタのけん引性能の測定
  48PS2駆トラクタ:機関回転速度2460rpm,速度1.1〜3.0m/sの4段階
  63PS2駆トラクタ:機関回転速度2070〜1500rpmの4段階,速度1.3〜3.6m/sの
           4段階
  90PS4駆トラクタ:機関回転速度2150rpm,2駆及ぴ4駆状態,速度1.0〜2.2m/s
           の4段階
 3)プラウのけん引抵抗の測定
  16"×1,16"×2,18"×4プラウについて速度3段階,耕深1〜3段階
 4)供試圃場:褐色火山性土圃場

9.成果の概要
 1)PTO軸での最高出力時の燃料消費率は181〜205g/PSh・燃料消費率最小時の機関回転速度は1265〜1490rpmの間にあった。
 2)プラウの比抵抗は速度1.8〜2.1m/s,耕深24〜28㎝では0.23〜0.47㎏/c㎡であった。
 3)方法2),3)の測定より耕深25㎝,比抵抗0.36㎏/c㎡とし・プラウ耕実作業のha当たり燃料消費量(L/ha)を求めた。
  (a)ha当たり燃料消費量が最少に近くなる作業幅とすると,燃費量(L/ha)は63PSでは少なく,90PS,48PSでは多くなった。速度は速いほど燃費量(L/h)は少なくなった。(第1図)
  (b)2駆と4駆(90PS)ではすべリ率20%時のけん引力,けん引係数が前者で980㎏,36.8%に対して,後者では1710㎏,37.5%となり,作業幅の拡大による能率向上が可能となって,燃費量(L/ha)は減少できる。(第2,3図)
  (c)ha当たりの時間が少ないほど燃費量(L/ha)は減少する。(第4図)

10.成果の具体的数字

第1図 プラウ耕実作業の燃料消費量

第1表 PTO軸出力燃費特性
  最高出力
(PS)
燃費率g/psh 燃費率最小時の
機関回転速度(rpm)
最高出力時 最小
48PS 44.2 205 172 1265
63〃 57.8 181 171 1489
90〃 82.9 191 172 1366


第2図 プラウ耕の作業幅と実作業燃料消費量の関係(90ps)


第3図 トラクタのけん引力とすべり率との関係


図4図 プラウ耕実作業のha当たり時間と燃料消費量の関係

11.成果の活用面と留意点
 プラウ作業のha当たり燃料消費料は実作業のみで旋回等を含まず,デフロック使用時のものである。土壌によるトラクタ性能の違いを考慮する必要がある。