【指導参考事項】

1.課題の分類　　草　地 2.研究課題名 　　　アルファルファ混播草地における品種組合せ 3.試験期間　　昭和55年〜59年 4.担　　当　　中央農試畜産科、新得畜試草地飼料作物科 　　　　　　　　根釧農試作物科、天北農試作物科 5.予算区分　　総合助成 6.協力分担　　な　　し

7.試験目的
　アルファルファ(AL)とチモシー(TY)およびオーチャードグラス(OG)との混播における品種組合せを検討し、自給飼料の安定多収をはかる。

8.試験方法

供試品種	アルファルファ	チモシー	オーチャードグラス
中央農試	ソア、ヨーロッパ、バーナル ナラガンセット、ラダック 月系0302	クンプウ(極早) ノサップ(早)	キタミドリ(早) ヘイキング(晩)
新得畜試	ソア(中)	クンプウ ノサップ ホクシュウ(晩)
根釧農試	ソア	クンプウ ノサップ	ケイ(やや晩)
天北農試	ソア ナラガンセット	ノサップ ホクシュウ	キタミドリ オカミドリ(中の晩)

9.主要成果の概要
　ALの各地域共通した優良品種である「ソア」と混播されるイネ科牧草の品種を相対的比較のなかで検討した。
　ALの生育が旺盛な道央地域では競合力の強いOG「キタミドリ」、またTY「クンプウ」ならびに十勝の内陸地帯(音更)ではTY「クンプウ」が適する。
　ALの生育が比較的良い天北地方では競合力のやや弱いOG「オカミドリ」、またTY「ノサップ」、ならびに凍害発生地帯を除く十勝の内陸地帯(芽室)ではTY「ノサップ」が適する。
　ALの生育が劣る十勝の山麓地帯(新得)では競合力がより弱いTY「ノサップ」ならびに、ALのスタンドの確立の不安定な根釧地域ではTY「ノサップ」が適する。

10.主要成果の具体的数字

チモシー			オードチャードグラス
2〜4年間合計乾物収量	マメ科率		2〜4年間合計乾物収量	マメ科率
中央農試	kg/10a	%		kg/10a	%
クンプウ×ナラガンセット	3,084	33	ヘイキング×ソア	2,874	41
バーナル	3,044	27	ヨーロッパ	2,834	52
ラダック	3,114	32	ナラガンセット	2,760	35
月系0302	3,148	51	月系0302	3,030	50
ノサップ×ナラガンセット	3,282	35	キタミドリ×ソア	2,760	28
バーナル	3,240	31	ヨーロッパ	2,912	29
ラダック	3,371	34	ナラガンセット	2,732	22
月系0302	3,523	54	月系0302	2,983	32
早　　来
クンプウ×ナラガンセット	2,921	37	ヘイキング×ソア	2,249	25
バーナル	2,873	27	ナラガンセット	2,179	22
ノサップ×ナラガンセット	2,817	33	キタミドリ×ソア	2,120	23
バーナル	2,923	23	ナラガンセット	2,339	17
新得畜試
クンプウ×ソア	2,817	38
ノサップ	2,787	54
ホクシュウ	2,456	72
芽　　室
クンプウ×ソア	2,764	63
ノサップ	3,179	78
ホクシュウ	3,137	81
音　　更
クンプウ×ソア	3,423	77
ノサップ	3,204	87
ホクシュウ	2,577	95
根釧農試
クンプウ×ソア	2,942	34	ケ　イ　×　ソ　ア	2,713	33
ノサップ	2,907	43
天北農試
ノサップ×ソア	2,971	65	キタミドリ×ソア	3,106	39
ホクシュウ	2,619	76	オカミドリ	2,904	46
ノサップ×ナラガンセット	2,824	52	キタミドリ×ナラガンセット	3,175	41
ホクシュウ	2,587	72	オカミドリ	2,956	40

11.今後の問題点
　ALの品種で競合力の優れた、また、凍害地帯や根釧地域でも安定して栽培できる品種の探索が必要。

12.普及指導上の注意事項
　当面・刈取りはAL単播草地の刈取りスケジュールに、施肥はマメ科混播草地に準じて行う。