| 1.課題の分類 野菜 野菜 食品 レタス 流通利用適性 北海道 2.研究課題名 カット野菜の保鮮流通技術に関する試験 カットレタスの保鮮流通技術確立試験 3.予算区分 道単 4.研究期間 (平成3年) 5.担当 中央農試園芸部 流通加工科 6.協力・分担関係 |
7.目的
カットレタスの効果的な保鮮流通技術を確立する。
8.試験研究方法
1)供試品種：「カルマーMR」「シャープリー」「シスコ」、(3)以下は「カルマーMR」)
2)製造後の温度管理：保管温度 室温10℃、5℃、1℃
3)洗浄方法
次亜塩素酸ナトリウム(100ppm)、アルコール製剤(20%)、流水洗浄、超音波洗浄、静水洗浄、無洗浄
4)褐変抑制処理
食塩(0.5%)、アスコルビン酸(0.5%)、クエン酸(0.5%)、リンゴ酸(0.5%)、イソチオシアン酸アリル(50ppm)、無処理
5)脱水方法：遠心脱水(800rpm、1600rpm、2400rpm)2分、静置脱水
6)包装方法：ポリエチレン袋含気包装(厚さ30、60ミクロン)、真空包装
7)総合処理
・洗浄方法アルコール製剤(20%)＋流水洗浄
・褐変抑制処理食塩水(0.5%)に浸漬
・脱水方法遠心脱水(2400rpm)2分
・包装方法ポリエチレン袋(厚さ30ミクロン)含気包装、真空包装
9.結果の概要・要約
(1)製造後の温度管理…基本工程において製造したカットレタスの温度別の商品性保持期間は、品種により
異なるが、室温では1日、10℃で1〜2日、5℃、1℃で3日〜4日であり、保管温度は5℃以下とする必要が
ある。
品種別には「カルマー」「シャープリー」に比べ「シスコ」が褐変しにくかった。
(2)洗浄…流水洗浄が褐変抑制に効果的であった。
またアルコール製剤は殺菌効果が高く、生菌数の低減に効果があった。
アルコール製剤で殺菌後、流水洗浄するのが効果的な洗浄方法と思われる。
(3)褐変抑制処理…食塩水(O.5%)に20分間浸漬すると褐変抑制に効果的である。
(4)脱水…静置脱水に比べ、遠心脱水が褐変抑制、生菌数低減に効果が高い。
遠心脱水の回転速度は毎分1600〜2400回転で2分脱水が適当である。
(5)包装…10℃で保管した場合は、含気包装に比べ、真空包装は褐変および生菌数増加抑制に効果が高い。
含気包装では厚さ30ミクロンよリ60ミクロンのほうが褐変、生菌数増加を抑制する。
(6)総合処理…アルコール製剤で殺菌し、流水で10分間洗浄した後、0.5%食塩水に20分浸漬、毎分2400回
転で2分間遠心脱水すると褐変抑制および生菌数低減に効果的であり、処理しない場合(基本工程)に比
べ、商品性保持期間を1日〜2日延長することができる。
10.成果の具体的数字
| ［原料］ | ⇒ | ［前処理］ | ⇒ | ［切断］ (2cm角) |
⇒ | ［洗浄］ (静水) |
⇒ | ［脱水］ (遠心、800rpm2分) |
⇒ | ［包装］ (PE30) |
| ［原料］ | ⇒ | ［切断］ ┏アルコール製剤(20%) ┃エタノール10% ┃乳酸、リン酸各0.1% ┗pH2.0前後 |
⇒ | ［洗浄］ ┏流水 ┗(10分間) |
⇒ | ［褐変抑制処理］ ┏食塩(0.5%) ┗(浸漬20分) |
⇒ | ［脱水］ ┏遠心脱水 ┃(2400rpm ┗2分) |
⇒ | ［包装］ ┏真空包装 ┃ポリエチレン(30) ┗含気包装 |
表1 カットレタス商品性保持期間
| 無処理 | 処理 | |||
| ポリエチレン包装 | 真空包装 | ポリエチレン包装 | 真空包装 | |
| 5℃(室温) | 4日(1日) | 4日 | 5日(2日) | 6日 |
11.成果の活用面と留意点
・生菌数は産地の圃場環境によリ異なる。
・洗浄水の温度はできるだけ低くし、作業環境の衛生管理に留意する。
12.残された問題とその対応
品種別カット適性の調査