7.目的
　岩宇地域に適したスイカ用台木品種の特性を調査し、栽培の一助とする。

8.試験研究方法
1)供試品種数と栽培法

年度			平成元年	平成2年	平成3年
供試品種数			8(現地)	9	14
栽培法	は種期	台木	3/24	3/23	3/27
		スイカ	3/27	3/28	3/29
	接ぎ木期		4/6	4/4	4/9
	定植期		5/9	5/11	5/15
	栽植様式		3×1m	3×1m	3×0.9m
	施肥量		N、P2O5、K2O各0.6、1.4、0.8㎏/a
	仕立法		手づる4本仕立、2果どり

　※平成元年のみ現地も[定植期：5月11日、栽植様式：3×1m]
　その他、栽培管理はセンター、農家(平元)慣行
　スイカ品種−縞王マックスRE、接ぎ木法−断根さし接ぎ
2)試験実施場所センター圃場(灰色低地土、山土客土)、現地圃場(褐色森林土)、平成元年のみ
3)試験規模一区13.5〜15㎡(5株)、2反復、現地一区15〜30㎡(5〜10株)、2反復

9.結果の概要・要約
1)スイカ栽培で用いられる、ユウガオ台木品種の特性を調査するため、つる割病抵抗性といわれるユウガオ
　7品種、カボチャ1品種を中心に試験を実施した。
2)接ぎ木作業に影響する苗質や、スイカとの親和性については品種による差はないと考えられた。
3)生育、収量、品質面では、年度によって品種間に差がみられたが、3ヶ年の平均でみると、特に大きな差
　は認められなかった。
4)つる割病に対する抵抗性については、平成元年に現地で試験を行ない、センター圃場でも4〜6年の連作
　になったが、結局、つる割病の発生を認めず、十分な検討ができなかった。なお、抵抗性が付与されたこと
　による、品質への影響はないと考えられた。
5)以上、本試酸で供試した、つる割病抵抗性ユウガオ7品種については、生育、収量、品質、その他の特性
　で特に大きな差は認められなかった。

10.成果の具体的数字
第1表　　苗質(平成3年)と生育、収穫果率調査(3ヶ年平均)

№　品種名	接ぎ木時			定植時			6月末		収穫果率 (%)
	子葉長 (cm)	胚軸長 (cm)	胚軸径 (mm)	葉数 (枚)	茎長 (cm)	最大 葉長 (cm)	ツル長 (cm)	葉数 (枚)
1.FR長寿	4.5	5.5	3.3	3.8	6.2	7.4	220	24.7	92
2.ドンK	4.6	4.5	3.2	4.5	4.5	7.4	212	23.5	92
3.れんし	4.7	5.0	3.3	4.3	4.6	7.7	214	24.0	102
4.ボンドK	4.7	5.5	3.2	4.0	4.7	6.8	218	24.2	91
5.かちどき2号	5.2	5.8	3.3	4.2	5.0	7.0	219	23.7	98
6.タフガイ	5.0	5.4	3.2	4.1	6.2	6.2	216	23.7	93
7.FR-10	4.9	2.8	3.4	5.2	4.9	8.1	216	24.1	96
8.№8	3.6	6.6	3.2	4.4	5.4	7.3	239	24.7	100

※収穫果率:実収穫果数/目標収穫果数(1株2果)×100

第2表　　収量、品質調査(3ヶ年平均)

№　品種名	a当良果		優以上 割合 (%)	平均 一果重 (kg)	糖度 (%)	肉質		食味	空洞
	個数 (コ)	重量 (kg)				硬さ	シャリ
1.FR長寿	62	478	62	7.58	12.2	3.0	3.5	3.4	2.5
2.ドンK	60	419	65	6.96	12.0	2.8	3.4	3.3	2.5
3.れんし	66	458	72	6.75	11.8	2.9	3.4	3.3	2.1
4.ボンドK	60	439	60	7.06	11.9	2.8	3.2	3.1	2.2
5.かちどき2号	64	461	69	7.04	12.0	2.9	3.5	3.4	2.0
6.タフガイ	65	466	55	7.11	12.0	2.8	3.5	3.5	1.6
7.FR-10	62	442	62	6.88	11.9	2.9	3.3	3.2	1.9
8.№8	63	474	44	7.47	11.9	3.2	3.0	3.0	1.9

┏	肉質・硬さ	：	5(硬)、4(ヤヤ硬)、3(中)、2(ヤヤ軟)、1(軟)
┃	肉質・シャリ	：	5(多)、4(ヤヤ多)、3(中)、2(ヤヤ少)、1(少)
┃	食味	：	5(良)、4(ヤヤ良)、3(中)、2(ヤヤ悪)、1(悪)
┗	空洞	：	5(大)、4(ヤヤ大)、3(中)、2(ヤヤ小)、1(小)、0(無)

11.成果の活用面と留意点

12.残された問題点とその対応
　つる割病に対する抵抗性の検討。