成績概要書(作成 平成5年1月)
1.課題の分類  野菜 野菜 栽培 野菜 栽培一般
          北海道
2.研究課題名  導入露地野菜の特性調査パート2(新規作物の導入と栽培法の確立)
3.予算区分  受託(民間)
4.研究期間  (平成2年〜4年)
5.担当  十勝農試研究部園芸科
6.協力・分担関係  なし

7.目的
 国内外より収集した野菜について、その特性を調査し、新規作物を導入するにあたっての参考に資する。

8.試験研究方法
供試作物名 供試品種名 播種期
エンダイブ グリーンカールドほか3 4月中旬〜8月中旬、計5回
ロケット (不詳) 4月中旬〜8月中旬、計5回
サルシファイ Mammoth Sandwich Island 5月中旬、6月中旬
スコーゾネラ ANNUAL GIANT 5月中旬、6月中旬
モロヘイヤ (不詳No.1)ほか2 4月中旬、5月中旬
ヤーコン (不詳) 5月下旬、6月上旬(定植期)
レッドキャベツ ルビーボールほか3 4月下旬
コラード ジョージアほか2 4月下旬

9.結果の概要・要約
(1)エンダイブ
 播種期:6月中旬頃までである。4月中旬播種は抽台のおそれがあり、温度管理に注意が必要である。
 収穫期:1〜2週間前に軟白のため葉を結束する。1株重200〜300g程度から収穫。
(2)ロケット
 播種期:4〜6月では抽台が発生するので、当面は7月播種が適当である。
 収穫期:葉数10枚以上、1株重25g以上で収穫するのが適当である。
 その他:定植時に植え傷みしやすく、ハウス直播栽培も検討する必要がある。
(3)サルシファイ
 播種期:生育日数が長いので、播種は5月にできるだけ早く行う。
 収穫期:耐霜性も強いとみられるのでlO月下旬前後に行う。
(4)スコーゾネラ
 播種期:生育日数が長いので、播種は5月にできるだけ早く行う。
 収穫期:耐霜性も強いとみられるので1O月下旬前後に行う。
(5)モロヘイヤ
 播種期・定植期:4〜5月にハウス内で播種し、晩霜が終わってから定植を行う。
 収穫期:7月に入ると急速に茎葉が繁茂するので適宜収穫する。
(6)ヤーコン
 定植期:晩霜が終わった6月以降に行う。
 収穫期:10月以降、数回霜に当ててから収穫する。
(7)レッドキャベツ
 栽培法はキャベツに準ずる。適品種の選定は今後の課題である。
(8)コラード
 栽培法はキャベツに準ずる。

10.主要成果のの具体的数字
(1)エンダイブ
品種名 播種期 抽台率(%) 規格内率(%) 規格内収量(kg/a) 平均1株重(g)
グリーンカールド 6月 0 100.0 361.8 361.8
(2)ロケット
播種期 抽台率(%) 規格内率(%) 規格内収量(kg/a) 平均1株重(g)
7月 6.7 93.3 134.6 144.1
(3)サルシファイ
播種期 根重(kg/a) 葉重(kg/a) T/R比 平均1根重(g) 分岐根割合(%)
5月 73.4 83.0 1.13 73.4 0
(4)スコーゾネラ
播種期 根重(kg/a) 葉重(kg/a) T/R比 平均1根重(g) 分岐根割合(%)
5月 98.6 145.7 1.48 98.6 0
(5)モロヘイヤ
品種名 総重(kg/a) 葉重(kg/a) 株当たり総重(g) 株当たり葉重(g)
(No.1) 219.0 79.7 493.2 179.4
(6)ヤーコン
いも収量(kg/a) 平均1個重(g) 株当たりいも数(個) 株当たりいも重(g)
335.8 124.7 9.1 1134.6
(7)レッドキャベツ
品種名 規格内総重(kg/a) 結球重(kg/a) 規格外(%)
抽台 障害 小株 裂球 不結球
ルビーボール 549.1 334.0 0 32.1 5.4 0 8.9
(8)コラード
品種名 茎葉総重(kg/a) 株当たり 葉色 草姿
草丈(cm) 茎長(cm) 葉枚(枚) 総重(g)
ジョージア 525 77.5 65.4 42.9 2600

11.成果の活用面と留意点
新規作物を導入するに当たっての資料とする。

12.残された問題
1.標準耕種法の確立
2.適品種の選定