1.課題の分類 総合農業 作業技術 収種、野菜5-4 北海道 物理 2.研究課題名 はくきい、キャベツの収穫機械化 (結球野菜の収穂機械化システムの実用化) 3.予算区分 道単 4.担当 北海道立中央農業試験場 農業機械部機械科 5.研究期間 平成4年 6.協カ・分担関係 なし |
7.目的
道産野菜の道外移出量が増加する中、はくさい、キャベツなどは人手収穫によっており、重量野菜のため特に多労働であり、機械化が強く要望されている。このため、収穫機の性能を調査し、実用性を検討する。
8.試験研究方法
1)供試機下記2機種でいずれも1畦用収穫機
作物 | 型式 | 装着形式 | 茎葉切断 | 収納方法 |
はくさい | SC50-C | トラクタ半直装式 | 切断刃付 | ハーフコンテナ |
キャベツ | NK800-K | トラクタ半直装式 | 人手切断 | ハーフコンテナ |
9.結果の概要・要約
1)はくさい収穫機
(1)供試はくさいは、畦幅61〜63㎝、株間52〜54㎝、平畦で、結球部の高さが26.8〜34.2cm、幅14.2〜
20.2㎝、球重は1.50〜2.92㎏であった。また、圃場の土壌硬度は畦間位置で深さが5㎝では4.2kg/㎝2以
上と硬く、作業条件としては良好であった。
(2)供試機は作業速度0.33m/sで外葉枚数が9〜11枚に切断され、損傷、汚れがなく、補助作業者3人、ト
ラクタオペレータ1人の計4人で連続作業した能率は4.5a/hであった。また供試機で収穫したはくさいを、
施設に搬入後、調製から箱詰めを行った作業能率は約O,2a/hであった。
2)キャベツ収穫機
(1)供試キャベツは畦幅61〜66㎝、株間38〜44㎝、14〜17cmの高畦(2箇所)と平畦(1箇所)で球径が14.6
〜18.1cm、球重は1.14〜1.66㎏であった。また、圃場の土壌硬度は畦間位置・深さ5㎝で5㎏/㎝2以上
と硬く、作業条件としては良好であった。
(2)供試機は作業1速度0.08m/sで、機械損傷球はなく、後部作業台に補助作業者2人が乗り、連続作業
を行った結果、作業能率は1.7a/hであった。
10.主要成果の具体的数字
表1 作物条件
作物 | 品種 | 試験 期日 |
畦幅 (㎝) |
畦高さ (㎝) |
株間 (㎝) |
茎径切口 (㎝) |
結球部 | 畦間硬度(㎏/㎝2) 深さ |
|||
高さ(㎝) | 径(㎝) | 重量(kg) | 5㎝ | 10㎝ | |||||||
はくさい | 春秋 | 8/26 | 62.0 | 平(7) | 53.8 | 4.9 | 34.2 | 20.2 | 2.84 | 10.4 | 16.7 |
大福 | 8/26 | 62.0 | 平(7) | 53.8 | 3.8 | 33.4 | 19.7 | 2.92 | 10.4 | 16.7 | |
春秋 | 9/16 | 63.3 | 平(9) | 53.0 | 3.5 | 27.2 | 14.2 | 1.50 | 9.1 | 12.2 | |
春秋 | 9/25 | 61.0 | 平 | 51.5 | 2.4 | 26.8 | 16.4 | 1.89 | 4.2 | 6.7 | |
キャベツ | 藍春ゴールド | 8/26 | 62.0 | 17 | 44.4 | 3.8 | 18.1 | 1.66 | 8.1 | 18.9 | |
ルピーポール | 9/16 | 66.0 | 14 | 38.0 | 3.4 | 14.6 | 1.14 | 11.4 | 18.2 | ||
アーリーボール | 9/25 | 61.0 | 平(5) | 40.5 | 3.5 | 15.0 | 1.61 | 4.2 | 6.7 |
表2 作業精度
作物 | 試験 期日 |
作業速度 (m/s) |
茎切断長 (㎝) |
茎切口径 (㎝) |
損傷球 割合(%) |
汚れ球 割合(%) |
外葉枚数 (枚) |
備 考 |
はくさい | 8/26 | 0.34 | 1.7 | 3.1 | 33.0 | 0 | 8.2 | トラクタは88PS、4駆 |
9/16 | 0.32 | 0.9 | 2.8 | 0 | 0 | 10.8 | ||
9/25 | 0.34 | 1.4 | 2.3 | 0 | 0 | 8.6 | 9/25のみトラクタ79PS、4駆 | |
キャベツ | 8/26 | 0.09 | 1.6 | 3.6 | 0 | 0 | (5.2) | トラクタは88PS、4駆 |
9/16 | 0.11 | 0.5 | 3.5 | 0 | 0 | (3.8) | 茎切断は手作業 | |
9/25 | 0.07 | 0.2 | 3.4 | 0 | 0 | 9/25のみトラクタ79PS、4駆 |
表3 作業能率
作物 | 試験 期日 |
面積 (a) |
作業者 (人) |
作業速度 (m/s) |
所要時間 (min) |
作業内訳(%) | 作業能率 | ||||
実作業 | 回行 | 荷積 下し |
停止 | (a/h) | (a/h/人) | ||||||
はくさい (手作業) |
9/16 8/26 |
1.30 0.097 |
5 6 |
0.34 |
17.9 14.9 |
56.7 |
9.3 |
34.0 |
0 |
4.4 |
0.88 (0.20) |
キャベツ | 9/16 | 0.66 | 4※ | 0.08 | 35.9 | 87.7 | 4.6 | 4.9 | 2.8 | 1.7 | 0.43 |
11.成果の活用面と留意点
1)適応トラクタは、はくさいが70PS以上、キャベツは60PS以上の4輪駆動が望ましい。
2)畦幅は60cm以上が望ましい。
3)マルチ栽培ではフィルムを除去する。
12.残された問題とその対応