1.課題の分類 総合農業 生産環境 気象災害 農業環境 環境資源 気象特性 北海道 物理 2.研究課題名 北海道における積雪深分布と根雪消雪日・融雪促進可能日数の推定 3.予算区分 受託・経常 4.研究期間 (昭和60年〜平成4年) 5.担当 北海道農試 農村計画部・気象資源評価研 6.協力・分担 |
7.目的
近年、メッシュ情報やAMeDAS観測データが整備されるとともに、各地で情報のネットワーク化が進められている。そしてこれに伴ない普及機関や自治体からは気象情報の効率的利用法の開発に関する要望がでている。そこで、これらの情報を利用した北海道の主要な積雪地の長期積雪(根雪)消雪日予測や融雪促進可能日数の定量化手法を開発し、農村の活性化を支援する気象情報等の利用方法を開発する。
8.研究方法
(1)公表されているAMeDASデータやメッシュ気候値を利用するとともに、雪質変化や雪面における各受熱
項の配分比率などは北農試構内における積雪断面観測や露場観測値を利用して解析した。
(2)北海道内の約170か所について解析を進めたが、積雪の多い地区や統計的に有意性の認められた地
区として、今回は約40か所についてモデル化した。
9.結果の概要・要約
ここでは空知郡北村を例にして図示した。
(1)積雪深はメッシュ気候値の最深積雪深に対応して分布しているとして、最深積雪深の比率と代表地点(役
場前のデータ)の積雪深の現況値から、約1㎞メッシュ毎の積雪深を推定した。融雪期の積雪深は3月の
メッシュ気候値を使った。
(2)根雪消雪目は過去のデータを使い、2月下旬から5日毎の積雪深と根雪消雪目との相関を求め、有意
性の認められるものについては消雪日推定グラフを作成し利用した。
(3)融雪促進可能日数は積雪深分布や根雪消雪日を求めた日に融雪促進資材を定量散布したと仮定
して求めた。この場合の資材散布雪面のアルベルトは0.3とし、雪質などの条件は北農試で行った観測の
結果を使用した。
(4)これらの結果は1地区(アメダス観測点)を1枚のフロッピーに整理し、誰でも簡単に利用できるようにした。
10.成果の具体的数字
−北海道空知郡北村を例にして−
図1 北村を対象とした根雪消雪日の予測図,横軸は消雪予測を行う期日と
予想消雪日,縦軸は予測を行う日の積雪深,予測を行う期日と積雪深の
交点を通る曲線が右下で横軸と交差した期日が予想消雪日となる。
11.成果の活用面と留意点
根雪消雪日の判定は測候所の判定と異なり、積雪深が零センチになった日とした。従ってその後の再びの降雪は無視している。
12.産された問題とその対応
(1)解析地点を多くするとともに、予測精度の向上。
(2)効率釣な資材の散布時期を明らかにする。