| 1.課題の分類 総合農業 生産環境 病害虫 害虫 北海道 病理昆虫 虫害 花き 2.研究課題名 トルコギキョウに対する光反射性フィルムマルチ栽培によるアブラムシ類の発生抑制と ウイルス病(CMV)の感染防止効果 3.予算区分 受託 4.研究実施年度 平成3年〜4年 5.担当 北海道病害虫防除所 6.協力・分担 |
7.目的
トルコギキョウのマルチ用資材として、光反射性フィルムを利用し、アブラムシ類の発生抑制ウイルス病(CMV)の感染防止効果を検討する。
8.試験研究方法
1.供試資材
A：地温抑制近紫外線反射特殊ポリオレフィン系フィルム(商品名：ミラネスクひえひえ)
B：白黒ダブルフィルム
2.施設：無加温パイプハウス内(間口5.4m×奥行20㎜)
3.供試品種：平成3年「あずまの波」、平成4年「嵯峨の紫」
4.試験規模：1区6㎡1区制
5.栽培条件：定植(平成3年：5月24日、平成4年：5月13日)、ペット巾1m、６条植え(条・株間10㎝)
9.結果の概要・要約
1.トルコギキョウにはワタアブラムシとモモアカアブラムシが寄生し、両種ともウイルス病(CMV)を媒介する重
要害虫である。
2.ウイルス病(CMV)はトルコキキョウの栽培地域で普遍的に発生しており、安定生産の大きな阻害要因とな
っている。
3.本ウイルスは主として保毒モモアカアブラムシ有翅虫の飛来による吸汁が第1次感染に大きく関与している。
4.病原ウイルスはキュウリモザイクウイルスでアブラムシによって非永続的に伝染する。
5.光反射性フィルムである「地温抑制近紫外線反射特殊ポリオレフィン系フィルム」及び「白黒タプルフィ
ルム」をトルコギキョウのマルチ用フィルムとして使用すると、アブラムシの飛来を抑制するとともに、ウイ
ルス病(CMV)の感染防止効果も高い。
10.成果の具体的数字
表1 モモアカアブラムシ有翅及ぴ無翅虫の寄生状況
| 年次 | 特殊P・O | 白黒ダブル | 裸地 | |||
| 有翅 | 無翅 | 有翅 | 無翅 | 有翅 | 無翅 | |
| 1991 | 11 | 4 | 8 | 5 | 50 | 11 |
| 1992 | 8 | 0 | 9 | 0 | 58 | 0 |
11.成果の活用面と留意点
地温抑制近紫外線反射特殊ポリオレフィン系フィルム及び白黒ダブルフイルムは、アブラムシの発生及びウイルス病(CMV)の感染防止効果があり、マルチ用資材として実用性が高い。
・地温抑制近紫外線反射特殊ポリオレフィン系フィルム（商品名：ミラネスクひえびえ)
・白黒タプルフィルム
12.残された問題とその対応