【指導参考事項】1995113

成績概要書(作成 平成8年1月)
課題の分類 北海道 作物 園芸 野菜 育種 レタス 品種比較
研究課題名:夏どりレタスの品種特性
      (移出野菜の品種特性調査)
      (野菜品種早期普及促進事業)
予算区分:道単
担当科:上川農試 研究部 園芸科
研究期間:平5〜7年(1993〜95)  協力・分担関係:

1.目的

  生産地において速やかに優良な品種を導入・普及するために、民間育成の品種・系統の特性を明らかにし、品種選定の資料を提供する。

 

2。方法

  (1)栽培型  夏播き露地移植(白黒ダブルマルチ)栽培

  (2)試験区設計  1区面積3.6㎡、3反復(平成7年のみ2)

  (3)耕種概要
  場・年度
項目
上川農試三石町農業実験センター
H5H6H7H5H6H7
実施場所士別市比布町三石町
供試材料数273220111414
播種6,146.66.66.46.76.7
定植7.76,276,286.296.276.27
収穫期8.23-288.6-118.2-5---
栽植密度444株/a278株/a

 

3。結果の概要

2年間以上供試し規格内収量が多く総合的な評価が高かった品種・系統の特性概要は

下記のようであった。

 (1)草勢は、「カルマーMR」、「CMクロス」で極く強く、逆に「フロント」、「エムラップ231」等で弱かった。早晩性は、各品種・系統とも大きな差はなかった。

 (2)抽合性は、草勢が強いタイプで早い傾向があり、「サクラメント」で早く「オリンピア」、「みずさわ」等で遅かった。

 (3)障害球は、年により発生の種類が変わったが「フロント」、「エムラップ231」、「みずさわ」が病害、縁腐れ症状、異常球の発生が少ない傾向であった。

 (4)球の形状は、各品種・系統ともほぼ球〜やや扁平であったが「ユニット」はやや長球形であった。球色は、草勢が強いタイフで濃く、草勢が弱いタイプで薄い傾向であった。品種・系統では、「カルマーMR」、「CMクロス」で濃く、「オリンピア」、「ユニット」等で淡かった。緊度は、「みずさわ」が最も高く次いで「オリンピア」「CMクロス」で、逆に「ひたちグリーン」、「フロント」、「シスコ」で低かった。

 (5)規格内収量は、「みずさわ」、「オリンピア」、「エムラッブ231」、「シスコ」が高かった。これらの品種は各年とも比較的規格内品率が高く、結球重も高位〜中位であり、また地域センターでの評価も高い傾向であった。

表1夏とりレタスの品種特性、規格内収量比
品種
および
系統名
草勢  抽台性 球の 
 形状
球色  緊度  規格内
収量比
規格内
球率
(%)
平均
結球重
(g)
カルマーMR 極強 ヤ早 (182) 64 635
サクラメント ヤ偏 ヤ濃 ヤ高 111 66 660
ひたちグリーン ヤ晩 ヤ偏 ヤ低 100 77 502
ユニット ヤ長 108 60 576
エムラップ231 ヤ早 ヤ高 136 93 508
オリンピア 137 69 655
みずさわ ヤ偏 161 89 643
シスコ ヤ早 ヤ偏 ヤ濃 ヤ低 133 83 614
カルマーMR   (122)* 55* 543*
CMクロス 極強 ヤ偏 119* 72* 457*
グリーンラップ ヤ早 ヤ淡 136* 76* 486*
サクセス 140* 74* 469*
Y2409 ヤ晩 143* 75* 484*
フロント ヤ低 152* 89* 466*
 (注)規格内収量比は「カルマーMR」対比、「カルマーMR」欄は実数(kg/a)
 規格内収量比、規格内球率、平均結球童のデータ欄中*印は2年間の平均値

4.成果の活用面と留意点
(1)夏どりレタスの品種選定上の資料となる

5.残された問題点とその対応
(1)病害(軟腐病、腐敗病)抵抗性品種の検索
(2)日持ち性、輸送性の品種間差異の検討
(3)省力化(一斉機械収穫)に適合した品種の検討