【指導参考事項】             1995241
 成績概要書           (作成 平成8年1月)
課題の分類
研究課題名:たまねぎの白斑葉枯病防除効率化試験
      (野菜の減農薬栽培技術の確立)
      (たまねぎ病害虫の減農薬栽培技術確立試験)
予算区分:道費           担当科:中央農試病虫部害虫科
研究期間:平成3〜7年            北見農試研究部病虫科
       2〜5年        協力・分担関係:中央農試環境化学部土壌生態科

1.目的
 薬剤の選択により白斑葉枯病に対する散布間隔の延長を検討し、6月後半から8月前半の防除回数を削減する。

2.方法
試験場所北見農試中央農試
試験年次平成3年平成7年
実施場所場内場内三笠市農家
品種
移植期
栽植密度
1区面積
散布量
北もみじ
5月13日
30cm×10.5cm
15㎡、2反復
100L/10a
ウルフ
5月13日
30cm×15cm
9㎡、3反復
118L/10a
北もみじ86
5月5日
27cm×11.6cm
500㎡、反復無し
130L/10a
試験区の処理
散布月日
回教
フルアジナム水和剤1000倍に展着剤ポリオキシモンタン酸エステルワックス400倍加用し、15日間隔散布
6.18, 7.10,24, 8.76.15, 7.2,17, 8,26.24(2000倍), 7,6,22, 8.8
4回4回4回
対照区の処理
散布間隔
月日
回数
TPN水和剤F1000倍
10日間
6.16,26 7.6,16,26 8.5
6回
TPN水和剤F1000倍
7日間
6.15,23,30 7.7,14,21,28, 8.3,10
9回
6.18TPN千、23フルアジナム二千、29TPN千
7.6マンゼプ五百、13,16共プロシミドン千
22TPN千、8.3フルアジナム千の8回
(漢数字は濃度)
発生状況
発病度 株数
  調査月日

25株
6.15〜8.15に10日毎

25株
7,2〜8.12に7日毎

25株
7.19,8.18
残存緑色度 株数
    調査月日
25株
8.26
20株
8.19


3.結果の概要
 たまねぎの白斑葉枯病にたいして6月中旬〜8月上旬におよそ15日間隔で、フルアジナム水和剤1000倍液を4回散布した効果は対照薬剤7〜10日間隔の6〜9回散布、または、慣行散布(8回)と同等の効果を示した。

1)北見農試(平成3年、場内)
防除方法 散布回数 白斑葉枯病の発病度 残存緑色度
6.15 25 7.5 15 25 8.5 15 8.26
TPN1O日間隔 6 0 1,5 3,5 14,5 29 62,5 80,5 50
フルアジナム15日毎 4 0 2 3,5 21,5 36,0 47,5 60,0 68.5
無散布 - 0,0 3 7,0 31,5 60.5 86 99.5 8,5
防除方法 倒伏期 腐敗球率 規格外球率   規格内
変形 裂皮 球率 収量 1球重
TPN1O日間隔 8,13 6.10% 11.60% 6.10% 3.00% 83.60% 5.19t/10a 195,9g
フルアジナム15日毎 11 3.5 9.6 4.8 1,0 80.3 6.37 251.7
無散布 7 7,8 16.7 4 8,6 74.5 4.06 172.7

2)中央農試(平成7年、場内)
防除方法 白斑葉枯病の発病度 残存緑色度
7.2 9 15 23 29 8,5 12 8.19
慣行:TPN7日毎・9回 0,8 10.4 22 24 30,7 42.7 59.3 20,2
減農薬フルアジナム15日毎・4回 0.7 18.1 20 23 31.O 39 51,7 56.3
無散布 5.7 26.O 31.3 35 51.7 67.3 91.3 12.7

3)中央農試(平成7年、三笠市農家圃場)
防除方法 延散布回数 散布月日 発病度
7,29 8.19
慣行 8 6.18,23,29,7.6,13,16,22,8.3 23 71
減農薬 4 6.24,7,6,22,8.8 16 68
 注、延散布回数は各成分の回数の合計で白斑葉枯病対象のみである。

4.成果の活用面と留意点
1)フルアジナムを含む薬剤の散布回数は5回以内,散布時期は収穫の7日前までである。
2)本試験の適用できる品種はヤヤ晩生(北もみじ86程度)までであり、晩生は除外する。

5.残された問題点
1)他薬剤でめ検討
2)コスト低下の検討
3)展着剤の効果の検討