成績概要書 (作成平成12年1月)
課題の分類 北海道 畜産・草地 畜産草地 滝川畜試 北海道 作物 稲作 中央農試 研究課題名:アイガモの利用による水田除草の総合技術 (アイガモの利用による水田除草の総合技術体系の確立) 予算区分:道 費 研究期間:平成9-11(1997-99) 担当者:滝川畜試 研究部 家きん科,中央農試 稲作部 栽培第一科 協力・分担関係:なし |
水田放飼用アイガモのふ化および育すう技術、水田雑草に対する除草効果、水田放飼中のアイガモの損耗、水田引き上げ後の肥育技術ならびに種禽の産卵性について検討する。
貯卵条件:温度12〜20℃
ふ卵条件:温度37.2℃。入卵〜24日迄の湿度68%、24日以降の湿度78%
育すう温度:入雛時33℃から3日毎に2〜3℃ずつ低下させ室温20℃で廃温
給温方式 :赤外線電球、電熱保温マット、赤外線電球と電熱保温マット併用
アイガモ:薩摩鴨、市販合鴨
試験地点:浦臼町、穂別町、美唄市
放飼羽数:6.9〜17.3羽/10a
アイガモ:薩摩鴨、市販合鴨 試験地点:浦臼町、穂別町、美唄市
外敵対策:放飼水田周囲は電牧・格子網、上空はテグスなど
アイガモ:薩摩鴨、市販合鴨 試験地点:浦臼町 肥育期間:7週間
給与飼料:肥育区がブロイラー用配合飼料、対照区は農場慣行飼料
ふ化時期:7月上旬 給与飼料:産卵期が成鶏用配合飼料
日照時間:181日齢に10時間点灯から以後漸増し14時間に到達後一定
・受精率の平均が約87%、対受精卵ふ化率の平均は約73%であった(図1)。
・対受精卵ふ化率y(%)と貯卵日数x(日)との間に次の回帰式が得られた(図2)。
y=−0.1014x2−0.0361x+80.696(R2=0.897)
・育成率は事故がない場合、地域および年次の全平均が約90%であった(表1)。
・給温方式の違いによる、育成率への影響はみられなかった。
・薩摩鴨、市販合鴨ともに除草効果を得るための適正な放飼羽数は10〜15羽/10aであり、この羽数では両アイガモ種の除草効果に差異はなく、また水稲への害はみられなかった(表2)。
・体重の軽いアイガモでも活力があり、水馴らしができていると水田に放飼しても問題がなかった。
・水田周囲への電牧等の設置は獣害対策に有効であった。
・猛禽類等の被害により水田引き上げ時のアイガモの残存率は地域および年次の全平均が約70%であった(表1)。
・体重はブロイラー用配合飼料を給与した肥育区が重く、薩摩鴨では有意差が認められた(図3)。
・種禽用ヒナを7月上旬にふ化すると翌年、水田放飼用ヒナをふ化するための種卵採取時期(40〜43週齢)に産卵率が約90%であった(図4)。