成績概要書(2004年1月作成)
研究課題:ブルーベリーの簡易さし木繁殖マニュアル
(プルーン、ブルーベリーの品種選定と栽培法の確立)
担当部署:中央農試 作物開発部 果樹科 協力分担:
予算区分:重点領域 研究期間:2002〜2004年度(平成14〜16年度)
1.目的
休眠枝ざしの諸条件について検討し、発根率が高く管理が容易なブルーベリーのさし木繁殖マニュアルを作成する。
2.方法
(1)さし木諸条件の検討(各項目毎の検討)

供試品種:「ブルークロップ」「ランコカス」「ウエイマウス」「ノースランド」
検討項目以外の栽培条件については以下のとおりとした。
採穂時期:4.2 さし木時期:4.18(2002年度),4.24(2003年度)
さし木用土:鹿沼土 さし木床容器:プラスチックコンテナ(底面格子状)
さし木床設置法:直置き
さし木場所:中央農試無加温ハウス
さし穂長:15cm さし木間隔:5×5cm
発根促進剤:IBA(0.4%)液剤4倍基部10秒浸積
潅水:用土表面が乾き始めたら潅水
(2)従来法との比較

供試品種:「ブルークロップ」「ランコカス]
その他の栽培条件については(1)のとおり。
3.成果の概要
(1)さし木諸条件の検討
1)鹿沼土では何れの品種でも発根率は90%以上となり、鹿沼土ピートモス等量混合、ピートモスも鹿沼土に比べ発根率がやや低くなる場合があるものの概ね80%以上の発根率であり、これら3種類の用土はブルーベリーの休眠枝ざしに適している(表1)。
2)ピートモスを用土に用いた場合、さし木床を直置きにすると発根率がやや低くなる場合があるが、さし木床の下にパイプを敷いて地面から浮かせると用土が過湿にならず、発根率の低下を防ぐことができる(データ省略)。
3)潅水間隔が4日毎では用土が乾燥気味になり、根の発育が抑制されたことから、用土表面が乾き始めたのを目安に潅水するなどして、用土を適湿状態に維持することが必要である(データ省略)。
4)発芽始めに穂木を採取してすぐにさし木した場合、休眠期の採取と同様高い発根率が得られ、穂木採取後すぐさし木する場合は、発芽始めの穂木でも利用可能である(データ省略)。
5)4.3〜6.21の何れのさし木時期でも高い発根率が得られ、さし木時期は従来法の3月下旬〜4月上旬に加えて、更に6月中旬まで可能である(データ省略)。
6)さし木場所はハウス、露地ともに高い発根率が得られ、さし木は何れの場所でも可能である(データ省略)。
7)発根促進剤処理は、無処理でも高い発根率が得られ、特に必要ない(データ省略)。
8)さし穂の基部調整は、剪定ハサミで切断するだけでも高い発根率が得られ、ナイフで更に切り直す必要はない(データ省略)。
(2)従来法との比較
本試験の結果を組み合わせた新方式は、従来法に比べ発根率は大幅に向上し、作業的には簡略化された(表2、図1)。
図1 ブルーベリーの簡易さし木繁殖マニュアル
4.成果の活用面と留意点
ブルーベリーの苗木生産に活用する。
5.残された問題点とその対応