成績概要書(2004年1月作成)
研究課題:スターチス・シヌアータの品種特性Ⅲ
(空知管内におけるスターチス基幹品種候補選定試験)
担当部署:花・野菜技術センター 研究部 花き科
協力分担:
予算区分:受託
研究期間:2002−2003年度(平成14〜15年度)
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1.目的
産地の出荷戦略に応じ、夏の需要期である8月上旬出荷を目指し、定植期や摘芽打ち切り時期を変えた品種比較試験を実施する。
2.方法
(1)試験場所
センター内無加温ハウス、ハウス間口7.2m、奥行き40m、面積288㎡
(2)試験処理
供試品種(8−9品種)×定植期(4月上旬、5月上旬、6月上旬)
×摘芽終了時期(2−3時期)×2反復 1区8株2反復
(3)耕種概要
2条植え 条間45cm、株間40cm、2.55株/㎡ 白黒ダブルマルチ使用
施肥、ロング140日タイプ、2.0−1.4−2.0kg/a
調査打ち切り 10月22日(2002年)、10月10日(2003年)
3.結果の概要
1)苗質
苗質はほとんどの品種でほぼ良好であった。
2)収量性
(1)供試品種中でM規格以上の採花本数が最も多かったのは品種別で見ると2002年は「ピンクキッス」が株当たり40本を越え最も高く、次いで「バイオレットクイーン」、「プレーミープンク」が35本前後、「ベルベットウイングス」が30本前後であった。2003年は2002年に比べ全般的に収量が低くなり、「バイオレットクイーン」、「ベルベットウイングス」が16−17本と最も多かった。
(2)抽たい本数が多い品種は黄、桃、淡紫色系品種が多く4月定植で株当たり70−100本、5月定植で50−80本、紫系品種はやや少なく4月定植で50−60本、5月定植で30−50本であった。
3)採花時期
(1)8月上旬から採花をするためには7月1日に摘芽をうち切ることが良い傾向であった。しかし「藤娘」、「ピンクキッス」はそれより5日程度早めた方が良いと思われる。
摘芽期間と2番花以降の収量性と切り花品質との間に関係は認められなかった。
(2)8月上旬に多く採花するための定植時期は5月上旬が良い傾向であった。
4)病害、生理障害
灰色かび病は「メロディーイエロー」で採花始めに発生がみられた。芯止まりは「メロディーイエロー」、「ピンクキッス」で多くの発生をみた。時期は採花始めの8月上旬が多く、その次に2番花の採花のピークである9月中旬に発生した。また摘芽期間が長いほど、特に2002年4月定植で多く発生した。株枯れは「メロディーイエロー」で見られ、発生は生育期間中全体で発生した。
夏の需要期である8月上旬出荷を目指した作型で品種特性とともに定植期、摘芽の終了時期の検討を行った。
表1.5・6月定植での調査結果
表2.収量性とりまとめ

4.成果の活用面と留意点
5.残された問題とその対応
新品種への対応