成績概要書 (2004年1月作成)
北海道 >作物 >園芸 >レタス 研究課題:レタス栽培における超軽量紙マルチの実用性 担当部署:上川農試 研究部 畑作園芸科 協力分担: 予算区分:受託 研究期間:2002〜2003年度(平成14〜15年) |
超軽量紙マルチ 紙マルチ 白黒ダブルマルチ |
× | 平成14年 | < | Ⅰ:6月25日定植(19.2㎡、2反復) |
Ⅱ:8月5日定植(24.0㎡、2反復) | ||||
平成15年 | < | Ⅰ:6月27日定植(32.0㎡、2反復) | ||
Ⅱ:8月5日定植(19.2㎡、2反復) |
3.結果の概要
1) 超軽量紙マルチは、紙マルチよりも単位面積当たりの重量が約50%軽量されたことで、製品重量が約4kg(50m巻き)軽量化され、大きさも一回り小さくなった。このことによって、資材の運搬、マルチャーへの装着等の作業性は大きく改善された。
2)超軽量紙マルチの強度は、従来の紙マルチと同様、十分に高く、紙マルチ同様にトラクタ直装マルチャーの使用が可能であった。また、栽培期間中の崩壊等も実用上問題とはならなかった。平成15年作期Ⅱでは超軽量紙マルチ区において雑草の発生がみられたが、マルチが浮き上がる等の問題はなかった。
3) 超軽量紙マルチの地温経過が、いずれの作期においても紙マルチと比較して同等からやや高く推移しているが、白黒ダブルマルチと比較すると同等からやや低く推移していることから、超軽量紙マルチは、十分な地温上昇抑制効果を持つと認められた。
4)土壌水分の推移については、降雨後に紙マルチよりもやや早く土壌が乾燥する傾向がみられたが、栽培期間を通した土壌水分の変動も紙マルチとほぼ同じ傾向であり、従来の紙マルチと同様の土壌水分特性であった。
5)超軽量紙マルチにおける生育速度および生育途中の生育量は、従来の紙マルチと同等であった。全作期における規格内株率も従来の紙マルチと同等であった。収穫物の球特性もほぼ同等であった。
以上より、超軽量紙マルチは、従来の紙マルチと同等の農業特性であり、軽量化したことで作業性が改善され、実用性は高い。
図1 レタス栽培圃場におけるマルチ下の地温の日変化(平成14年、作期Ⅰ、地表下10㎝で測定)
図2 レタス栽培圃場における土壌水分の推移
(平成15年、作期Ⅱ、地表下10㎝で測定)
図3 超軽量マルチ区および紙マルチにおける規格内株率
4.成果の活用面と留意点
1) 超軽量紙マルチは、レタスの夏秋どり露地栽培に適応し、既存のマルチャーでのマルチングが可能である。
2)穴あき超軽量紙マルチでは、開孔部の土壌が乾燥したり降雨により緻密になるなど天候の影響を大きく受けるので、定植直前にマルチングすることが望ましい。
3)超軽量紙マルチをすき込んだ直後に播種する場合は、発芽障害・発根障害を回避するためにロータリーなどでマルチを十分に破断することが必要である。
5.残された問題とその対応