新品種候補 「H133R」                        (保存版)

2.「H133R」の特記すべき特徴
 そう根病抵抗性は「ユキヒノデ」並の“強”であり、そう根病発生圃場における根重、糖量は「ユキヒノデ」より多く、不純物価は低く、品質は優る。健全圃場における根重、糖量は「アーベント」より多く、不純物価はやや低く、品質はやや優る。また、根腐病抵抗性が“やや強”であり、「ユキヒノデ」の“弱”、「アーベント」の“やや弱”に比べ強く、抽苔耐性は“やや強”の「ユキヒノデ」より強く、「アーベント」と同じ“強”である。

3.優良品種に採用しようとする理由
 てんさいの重要病害であるテンサイそう根病は、化学的な防除が困難なため、発病圃場では同病の抵抗性品種の作付けが不可欠であり、発生地域の拡大とともに抵抗性品種の重要度はさらに高まっている。そう根病抵抗性品種「ユキヒノデ」は、平成15年117Ha、平成16年123Ha作付けされているが、さらに収量性の高い品種が要望されている。
 そう根病抵抗性を有する「H133R」は、「ユキヒノデ」に比べ、根中糖分は低いが、根重、糖量は多く、不純物価がやや低く、品質がやや優る。根腐病抵抗性は“やや強”と「ユキヒノデ」の“弱”より優れ、抽苔耐性は“強”で「ユキヒノデ」より強い。
 以上のことから、「H133R」を「ユキヒノデ」に置き換えて普及することにより、てんさいの安定生産に寄与できる。

4.栽培適地
 北海道一円のそう根病発生地帯

5.栽培上の注意
 1)根腐病抵抗性は“やや強”であるが、通常の防除を行う。
 2)根中糖分が低いので、北海道施肥基準を越えるような多肥栽培は避ける。