成績概要書(2005年1月作成)
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研究課題:プルーン、ブルーベリーの品種特性とプルーンの摘果効果
担当部署:中央農試作物開発部果樹科 帯広畜産大学畜産学部生物資源科学科
協力分担:中央農試技術普及部 北後志地区農業改良普及センター 渡島中部地区農業改良普及センター
砂原町
予算区分:道費(重点領域) 研究期間 :2002〜2004年度(平成14〜16年度)
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1.目的 観光シーズンに収穫されるプルーンとブルーベリーは、果物としての嗜好品ということに加えて、機能性食品としても注目され、本道での栽培が増加している。しかし、プルーンとブルーベリーは新しい果樹のため、本道では生産上の問題が多い。そこで、緊急性の高い課題である①プルーン、ブルーベリーの品種特性②プルーンの摘果効果を中心に検討をおこない、本道におけるプルーンとブルーベリーの産地化を推進する。
2.方法
(1)プルーンの品種特性 試験実施場所:仁木町渡辺園 機能性分析:帯広畜産大学
供試品種:9品種 調査項目:樹体生育、収穫期、収量、果実品質、機能性成分と抗酸化活性、裂果性、交配親和性
(2)ブルーベリーの品種特性 試験実施場所:砂原町営試験圃場 機能性分析:帯広畜産大学供試品種:10品種(他に対照3品種)調査項目:樹体生育、収穫期、収量、果実品質、機能性成分と抗酸化活性
(3)摘果効果 処理方法:果実の大きさの異なる3品種に対して枝別に1樹内に表4のような3水準の摘果処理を実施。各品種2樹供試。調査項目:葉果比、果実品質
3.成果の概要
(1)プルーンの品種特性(表1、2、一部データ省略)
1)収穫期は8月上旬から10月の始めまで、品種により大きく異なった。「パープルアイ」は毎年安定して収量が多かった。果実の大きさ、形、色は品種により大きく異なった。糖度は「サンプルーン」が高かった。「アーリーリバー」と「サンタス」は未熟であると非常に酸味が強く、食べ頃の判断が難しかった。雨よけ栽培は露地栽培よりも収穫期が遅れ、「パープルアイ」では雨よけ栽培の方が果実の酸度が低くかった。
2)プルーンはブルーベリーとともにグレープフルーツ、りんご、西洋なしに比べて抗酸化活性等の機能性が高く、品種のなかでは「チェーアン」が抗酸化活性が高かった。
3)果実を浸水して、裂果程度を調査した結果、「チェーアン」「アーリーリバー」は裂果しにくかった。
4)交配親和性を調査したところ、自家結実よりも他品種を交配した方が結実率が高くなる。従って、プルーンを栽植する際には開花期の近い異品種を混植する。
(2)ブルーベリーの品種特性(表3、一部データ省略)
1)凍害や干ばつのため枯死樹が発生する品種が多く、「ハーバート」は全樹枯死した。
2)凍害は「ブルークロップ」がもっとも多かった。樹冠の拡大が順調なのは「パトリオット」「バークレイ」「ノースランド」で収量もこれら3品種で多かった。
3)果実大きさは「ブルークロップ」「バークレイ」「スパータン」「ダロー」が2g前後で大きかった。食味はそれほど大きな差はないが、「ノースブルー」「ブルーレイ」「ダロー」がやや不良であった。日持ち性は、「スパータン」「ブルーヘブン」「ブルークロップ」がやや良かった。
4)アントシアニン量とポリフェノール量は「ノースランド」が多く、抗酸化活性も高かった。
(3)プルーンの摘果効果(表4、一部データ省略)
1)無摘果は未熟果や病果が多発し収穫歩留まりが著しく低くなった。
2)適正な摘果程度を明らかにするため3水準の摘果程度を検討したところ、弱摘果は食味不良な未熟果の発生が多くなり、「パープルアイ」では毎年糖度が低かった。しかし、弱摘果は無摘果ほどの悪影響はなかった。中摘果と強摘果では果実品質にほとんど差がなかった。以上の結果から、収量等を考慮し、適正な摘果程度を示した。
4 成果の活用面と留意点
全道のプルーンとブルーベリーの品種導入と栽培において活用する
5 残された問題とその対応
ブルーベリー栽培における干ばつ対策技術