アルファルファ「SBA9801」(普及推進事項)
北海道農業研究センター作物開発部マメ科牧草育種研究室
執筆担当者 廣井 清貞
奥村 健治
磯部 祥子

 アルファルファ「SBA9801」はそばかす病、バーティシリウム萎凋病に強い多収の品種であり、早晩生は早生に属する。普及対象地域は道内一円である。

1 試験目的
 アルファルファ民間育成品種の道内各地域における適応性を評価し、優良品種を選定する。

2 試験方法
 1)品種名   SBA9801
 2)育成機関 雪印種苗株式会社
 3)育種方法 合成品種法
 4)試験方法 単播:年2〜3回刈取り6場所、混播:北農研(オーチャードグラス、「ハルジマン」、畜試(チモシー、「ノサップ」)の2場所

3 試験成績(標準品種「マキワカバ」と比較して)
 1)収量性:3カ年合計収量標準比は104でやや多収を示す。
 2)発芽期および定着時草勢:「マキワカバ」と同等で良好である。
 3)萌芽の良否:「マキワカバ」と同等かやや優れる。
 4)越冬性:「マキワカバ」と同等である。
 5)早春の草勢:「マキワカバ」並である。
 6)秋の草勢:「マキワカバ」並である。
 7)早晩生:開花は標準品種とほぼ同時期の早生に属する。
 8)倒伏程度:「マキワカバ」と同等である。
 9)草丈:「マキワカバ」並である。
 10)耐病性:バーティシリウム萎凋病に対しては抵抗性である。そばかす病に対する抵抗性は「マキワカバ」よりやや優れている。
 11)混播適性:オーチャードグラス、チモシーとの混播適性は「マキワカバ」と大差ない。

4.試験結果および考察
  アルファルファ「SBA9801」はそばかす病抵抗性が「マキワカバ」よりやや強く、やや多収である。その他の形質についてはほぼ同等である。バーティシリウム萎凋病には抵抗性である。混播適性は「マキワカバ」と大差がない。

5.普及指導上の注意事項
 普及対象地域:道内一円
 普及見込み面積:5,000ha
 普及しうる種子量:10t


写真1 そばかす病罹病葉:左から「マキワカバ」、「SBA9801」、「ヒサワカバ」平成16年9月19日撮影



写真2 春の草姿:上段「SBA9801」、下段「マキワカバ」平成14年5月25日撮影