2.「HT 22」の特記すべき特徴
 根中糖分が「スコーネ」より高く、糖量は「スコーネ」より優る。

 

3.優良品種に採用しようとする理由
 平成12年に優良品種に認定された「スコーネ」は、根重、根中糖分とも優れた糖量の多い品種として平成17年度は約5,000ha栽培されている。しかし、近年の砂糖を巡る情勢は、平成17年3月に策定された「砂糖及び甘味資源作物政策の基本方向」において、最低生産者価格の撤廃が示されるなど、今後一層厳しくなることが予想されることから、収益性の確保のため、さらに糖量の多い品種の導入、普及が生産者より要望されている。
「HT 22」は、「スコーネ」と比べ、根重は同程度であるが、根中糖分が高く、糖量が多い特性をもつ。褐斑病および根腐病に対する抵抗性は、「スコーネ」と同様に“弱”であるため、これらの病害に対する注意が必要であるが、「スコーネ」と同様に適切な防除を行うことで栽培することが可能である。

 以上のことから、「HT 22」を「スコーネ」に替えて全道一円に普及することにより、てんさいの安定生産に寄与できる。

 

4.栽培適地
 北海道一円


図1.「HT22」の糖量
(対「スコーネ」百分比表示)
▲:輸入品種検定試験、品種連絡試験4カ年平均成績(平成14〜17年)

 

5.栽培上の注意
 1)褐斑病抵抗性が“弱”なので、適切な防除に努める。
 2)根腐病抵抗性が“弱”なので、適切な防除に努める。
 3)黒根病抵抗性が“中”であるが、多湿となった圃場では黒根病の発生が多い傾向があるので、排水不良な圃場での栽培を避ける。
 4)そう根病抵抗性をもたないので、発病圃場での栽培を避ける。