成績概要書(2006年1月 作成)
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 研究課題:アカヒゲホソミドリカスミカメの性フェロモントラップ
       (アカヒゲホソミドリカスミカメの性フェロモントラップの実用化)
 担当部署:道南農試 研究部 病虫科
 協力分担:
 予算区分:道費(重点領域)
 研究期間:2003〜2005年度(平成15〜17年度)
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1.目 的
アカヒゲホソミドリカスミカメの実用的な性フェロモントラップを開発する。


2.方 法
 1)誘引性を高め安定させる成分の検討
 2)本種の誘引に適した製剤の検討
 3)本種の捕獲に適したトラップ形状の検討
4)トラップの特性(誘引時刻、他の調査方法との比較)


3.成果の概要
 (1) 第3成分の確認と第4成分の検出と誘引性の確認を行い、これらの成分が誘引性を高め、安定させる効果があることを確認した。
 (2) 誘引製剤の材質を検討し、これら処方製剤の誘引期間は1.5〜2ヶ月間で、製剤の交換時における誘引性の変動は少なく、本種のモニタリング用製剤に適していた。
 (3) 網円筒トラップ(黒色ポリエチレン製5mm目網、径6cm、長さ30cmに粘着スプレーを吹き付け垂直に設置)は(図1、4)、捕獲数が水盤トラップより3倍以上多く、対象外昆虫の捕獲数も
  水盤トラップの20〜30%で、本種の捕獲に適していた。
 (4) 本トラップでの雄成虫の捕獲は1日中みられるが、日の出後から正午前後までの間に多い傾向がある。
 (5) 本トラップによる捕獲消長や発生期は予察灯よりもすくい取り法による消長に近い傾向があった(図2,3、表1)。
 (6) 以上から、モニタリングに使用可能なアカヒゲホソミドリカスミカメの性フェロモントラップを作出した。










 図4 網円筒5トラップ
 

4.成果の活用面と留意点
 本トラップは、アカヒゲホソミドリカスミカメの新しいモニタリング法として生態調査・試験等の場面で活用できる。


5.残された問題とその対応
 (1)カメムシの発生予察調査における利用法
 (2)斑点米の効率的防除のための性フェロモントラップによる要防除水準の設定、それを活用した防除体系の確立。