成績概要書(2008年1月作成
研究課題:みなづきの生育特性及び栽培法
       (山野草商品化促進事業)
担当部署:花・野菜技術センター 研究部 花き科
協力分担:
予算区分:農政部事業(北の花産地ネットワーク整備事業)
研究期間:2003〜2007年度(平成15〜19年度)
1 目的
栽培管理が容易な切り枝品目みなづき(ノリウツギの園芸品種)について、定植後4年間にわたる生育特性の把握、花房の小型化、遮光によるグリーン化及び品質保持技術を検討し、生産の安定と道産花きのブランド化を図る。

2 方法
1) 生育特性調査(現地試験)
(1)調査場所:深川市,美唄市,長沼町生産者圃場、(2)定植時期:平成16年5月中旬〜6月上旬、(3)試験規模:1区5株1〜2反復
2) 切り戻し位置による花房小型化の検討(場内試験)
(1)処理区:前年秋に地際,30cmで切り戻し、(2)試験年次:平成18〜19年(定植3〜4年目)、(3)試験規模:1区5株2〜3反復
3) 遮光による花房のグリーン化(場内試験)
(1)遮光率:0%(雨よけのみ),50%,77%資材(全て雨よけ実施)、(2)試験年次:平成17〜19年、(3)試験規模1区8〜10枝
4) 品質保持試験(場内試験)
(1)供試材料:白花,着色花(共に枝長70cm)、(2)前処理温度:10,15,20℃、(3)前処理液:水道水,市販切り枝用品質保持剤2剤,界面活性剤,STS剤,スクロース(2,4,10%),抗菌剤、(4)試験年次:平成17〜18年、(5)試験規模:1区5本、(6)前処理及び輸送処理時間:ともに24時間、(7)花持ち調査条件:23℃,70%RH,1000Lux,12時間日長、50cmに切り戻した後水生けし毎日調査

3 成果の概要
1) 白花が8月中旬〜下旬に開花し、その後花房が淡い桃色に変化するのが9月下旬、濃い赤色に変化するのは10月上〜中旬であった(表1)。
2) 本格的な採花は定植3年目以降であり、収量は定植3年目で15本/株、4年目で25本/株となった。着色花で採花する場合、所得は定植後3年目で53千円/a、4年目で105千円/a(表2)、労働作業は定植3年目で32時間/a、4年目で53時間/aとなった(データ略)。
3) 前年秋の切り戻し位置を30cmにすることで慣行の地際切り戻しより花房が小型化し、M規格の切り花が増加した。毎年30cmで切り戻した場合、地際で切り戻した場合より花房は小さくなるが収量は減少した(表3)。このため、地際と30cmで隔年で切り戻すことにより、規格別収量の偏りを軽減することが可能であると考えられる。
4) 雨よけハウスに遮光率約80%の遮光ネットで覆うことにより9月下旬に白花を淡いグリーンにすることが可能であった(表4)。しかし10月以降少しずつ赤味が増した。
5) 前処理剤による著しい花持ち延長効果は認められなかった。前処理温度については20℃では花持ちが短くなる傾向が見られたが10〜15℃では差は見られなかった(データ略)。
6)以上よりみなづきの栽培体系を図1に示した。
  
4 成果の活用面と留意点
みなづき栽培導入時の参考とする
本試験は道央地域において調査を実施した結果である

5 残された問題点とその対応
定植5年目以降の生育特性の追跡調査
着色花における花傷み防止技術