成績概要書(2008年1月作成)
研究課題:メロンえそ斑点病及びつる割病(レース1,2y)抵抗性台木新品種候補「空知台交6号」
      (「メロンえそ斑点病の総合防除対策」、「メロン土壌病害抵抗性台木新品種の育成」)
担当部署:花・野菜技術センター 研究部 野菜科
予算区分:道費
研究期間:2003〜2007年度(平成15〜19年度)

1.特性一覧表
 

       

2.「空知台交6号」の特記すべき特徴
 えそ斑点病及びつる割病(レース1,2y)(以下、レース1,2y)に対して強い抵抗性を有する。接ぎ木作業性が優れる。

3.北海道で優良品種に採用しようとする理由
 「空知台交6号」は、えそ斑点病に対しては「どうだい4号」と同様に質的抵抗性を有し、レース1,2yに対しては「どうだい4号」より強い量的抵抗性を有するため、土壌病害抵抗性台木としての汎用性が高い。また、幼苗期に徒長しづらい特性を有しているため「ダブルガード」、「ワンツーシャット」より接ぎ木作業を行いやすい。さらに、穂木品種の収量・品質を損なわない優れた台木特性を有することから、えそ斑点病及びレース1,2yが発生した圃場や発生の恐れがある圃場におけるメロンの安定生産に貢献することが期待できる。

4.普及対象地域及び普及見込み面積

 普及対象地域:全道のメロン栽培地域のうち、えそ斑点病、レース1,2yの発生が確認された圃場及び発生の恐れがある圃場とする。
 普及見込み面積:80ha

5.保有種子量
「空知台交6号」  約 6,000粒
種子親「HM-5」 約 2,000粒
花粉親「HM-4」 約 2,000粒

6.栽培上の留意点
 1)レース1,2yに対する抵抗性は「どうだい4号」より優るが、菌密度が高いと罹病する場合がある。従来の抵抗性台木でも発病する圃場では土壌還元消毒や輪作を行って菌密度を下げた後に「空知台交6号」を用いる。
 2)低温伸長性が「どうだい4号」よりやや劣るため、道北地域では無加温半促成作型の内、4月上〜中旬定植の栽培を避ける。
 3)無加温半促成作型における成績であり、加温半促成作型、トンネル早熟作型及びハウス抑制作型については未検討である。また、蒸し込み等の特殊な栽培管理方法についても未検討である。
 4)接ぎ木を行った場合でも穂木に抵抗性が移行するわけではないため、穂木からの不定根の発生や接触伝染による罹病に注意する。