【指導奨励上参考に資すべき事項】
水稲「神力糯」に関する試験成績

岩見沢水稲試験地

 

1. 来歴
 「神力糯」
  夕張郡長沼村 篠島制作氏が昭和6年陸羽132号を母とし改良糯1号を父として交配を行い育成した品種で、昭和24年迄は神力糯2号、昭和25年からは「神力糯」こ呼称せられて広く試
  作或いは経済栽培が行われているが当場では昭和22年から品種比較試験を行って来たものである。

 

2. 特性の概要
 「神力糯」
  本品種は出穂成熟が功糯と大差が無く岩見沢地方では晩生種に属する。草丈改良糯1号よりも低くて短稈で茎はあまり太くないが柔軟で倒伏の危険性が少ない。分げつは多い方で穂
  長は短いが粒着が稍密で芒が無い。ふ先は暗褐でふ色は黄白である。稲熱病の被害は功糯よりも少ない。玄米収量は功糯よりも多い。米粒は稍豊満円形小粒で鈍白色で品質は良
  好である。

 

3. 奨励地帯
  功糯と同一に取り扱うのが適当と考えられる。

 岩見沢水稲試験地成績
  (1)特性調査
品種名 出穂
の早晩
成熟
の早晩
茎稈 玄米 稲熱病
耐病性
草型 草丈 細太 剛軟 粒着疎密 芒の多少 芒又はふ先の色 ふ色 形状 大小 品質
改良糯1号 中間 暗赤褐 淡赤褐 稍長 稍小 中中 稍弱
功糯 稍晩 稍晩 穂重 濃褐 帯褐黄 中上 稍強
神力糯 穂数 稍剛 稍短 稍密 暗褐 黄白 中上

  (2)生育調査及び収量調査
   冷床苗栽培
品種名 出穂期
(月日)
成熟期
(月日)
成熟期における 反当収量 玄米
収量割合(%)
籾摺
歩合
玄米一升
重量(匁)
玄米
千粒重量(g)
草丈(cm) 穂長(cm) 茎数(本) 玄米重(貫) 玄米容(石)
改良糯1号 8.6 9.19 89.5 17.5 18.2 88.826 2.316 100 82.2 384 21.0
功糯 8.11 9.25 89.3 16.7 11.4 93.647 2.435 106.9 81.9 385 23.3
神力糯 8.10 9.25 75.0 14.4 17.4 103.770 2.691 112.5 81.6 385 19.9