【指導奨励上参考に資すべき事項】
高位泥炭地地力維持試験成績

美唄泥炭地研究室 昭和14~25年

 

 高位泥炭地畑に於いて開墾後19ヶ年原土の儘にて耕作し、著しく生産力の減退せる土地の恢復を図る目的を以て、試験を施行せる成績によれば、斯る畑地生産力の維持増進を図るには堆肥、石灰施用、深耕等は夫々効果極めて大なるも、之等を単一に行うのでなく、堆肥は輪作を加味して常に充分に施用し、深耕を行い、数年毎に酸度を測定して必要石灰量を補給する様、総合的に之等等を実施することにより地力の恢復は勿論増進せしめ得ることを示せり。

区別 第一年次平均収量割合
馬鈴薯 燕麦 小豆
1. 原土標準肥料(堆肥不施用) 100 100 100
2. 原土標準肥料区 150 178 134
3. 酸度矯正標準肥料区(堆肥不施用) 133 167 138
4. 同上 (標準肥料区) 166 211 195
第1区深耕区 126 135 130
第2区深耕区 292 494 168
第3区深耕区 183 406 146
第4区深耕区 274 479 166
第1区酸矯正区 124 147 117
第2区同上 212 449 127
第3区再度酸矯正区 192 370 151
第4区同上 290 501 163
 備考  馬鈴薯、燕麦、小麦、三年輪作陌当標準施肥量

 

  堆肥 硫安 過石 硫加
燕麦 10 110 240 75
小豆 0 0 240 75
馬鈴薯 15 150 240 75