【指導奨励上参考に資すべき事項】
泥炭地に於ける緑作地が生産力に及ぼす影響に関する試験成績

美唄泥炭地研究室 昭和22年~25年

 

 高位泥炭地畑に於いて緑作地の効果と適作物を知らんが為め行えるもので、其の成績によれば緑肥大豆及び黄花ルービン鍬込跡地は、各作物共標準栽培に比し優るも、赤クロバー及びチモシー跡地は燕麦は優り小豆は大差無きも、玉蜀黍、馬鈴薯にては標準栽培に比し劣るを示し、各作物の増収率をミルに、総緑肥大豆後にては燕麦最も増収率高く、馬鈴薯、小豆、玉蜀黍等順次し、黄花ルービン跡地にては玉蜀黍最も高く、其の他作物も相伯仲して、何れも標準栽培のものより著しく優れるを示せり。赤クロバー、チモシー跡地に於いては燕麦又は小豆を選び、玉蜀黍、馬鈴薯を栽培する場合には、更に堆肥の施用を必要とす。尚各緑作地共第二作目の試効は認められざりき。

    燕麦 玉蜀黍 小豆 馬鈴薯
第1作 標準栽培 100 100 100 100
赤クロバー栽培区 115 68 99 77
チモシー 105 81 95 71
ルービン 123 127 123 122
緑肥大豆 144 105 116 134
第2作 赤クロバー栽培区 97 - 73 61
チモシー 87 - 67 60
ルービン 96 56 58 72
緑肥大豆 96 61 53 68
 備考   小豆、馬鈴薯、燕麦、玉蜀黍、4年輪作標準栽培施肥量
       (陌当瓩)
  堆肥 硫安 過石 加里
燕麦 10 115 240 75
玉蜀黍 15 150 240 75
小豆 0 0 240 75
馬鈴薯 15 150 240 75
 但し緑作物鍬込跡地は堆肥を施用せず。