【指導奨励上参考に資すべき事項】

1.　成績の概要
　養豚飼料として普通に用いられている煮熟澱粉粕及澱粉粕サイレージ（青刈大豆混用）と比較して試験の概要は次の通りである。
　（1）　赤クロバーサイレージ、澱粉粕が青刈大豆サイレージは共に豚の嗜好に適する良品調整が可能である。但し前者は出来るだけ細切することが豚の嗜好を増す。
　（2）　両者共に煮熟澱粉粕に比して給与始めの嗜好性が劣るが慣れるに従って好食する。
　（3）　同量の飼料を給与すると一週間目には煮熟給与群の増体量最も多く、クロバーサイレージ群は採食量が少ないため増体量が少ないが二週目には反対に赤クローバーサイレージ
　　　　群が最大となり、三週目には赤クロバーサイレージの効果が顕著になる。
　（4）　その後三ヶ月目の増体割合をみると赤クロバーサイレージ群がもっとも効果大であり、澱粉粕が青刈大豆群がこれに次いでいる。

2.　試験成績
　表1　赤クロバーサイレージ、澱粉粕加青刈大豆サイレージの品質
　　その1　外観及び有機酸組成

	色沢及香気	嗜好性	有機酸組成（%）
			総酸	乳酸	醋酸	酪酸
1）　赤クローバーサイレージ	緑黄 刺戟性の酸臭	++++	1.35 (100)	0.76 (55)	0.59 (45)	0 (0)
2）　澱粉粕加青刈大豆サイレージ	甘酸臭	++++	0.90 (100)	0.69 (76)	0.21 (24)	0 (0)

　　備考　　1）　赤クロバー　90%　　ビートパルプ　10%
　　　　　　　2）　澱粉粕　　70%　　　青刈大豆　30%（ビートパルプ1%添加する）

　　その2　一般飼料成分

	水分	粗蛋白質	粗脂肪	可溶 無窒素物	粗繊維	粗灰分	可消化2） 養分総量	可消化 粗蛋白質
赤クローバーサイレージ	75.31 (-)	2.03 (8.24)	0.30 (1.22)	16.82 (68.12)	4.40 (17.81)	1.14 (4.61)	15.18	1.26
澱粉粕加青刈大豆サイレージ	79.20 (-)	3.61 (17.35)	0.74 (3.54)	8.02 (38.62)	6.54 (31.42)	1.89 (9.07)	8.53	0.90

　　備考　（1）　（　）内は固形物百分中%を示す。
　　　　　　（2）　この計算に当たり各サイレージの消化率は次の数字を用いた。

	粗蛋白質	粗脂肪	可溶 無窒素物	粗繊維	備考
赤クローバーサイレージ	62	61	65	59	モリソン推算
澱粉粕加青刈大豆サイレージ	25	30	80	11

　　　　　　（3）　1日当給与量は次の通りである。
　　　　　　　　3群共1日給与量はそれぞれ赤クロバー、サイレージ2kg、澱粉粕加青刈大豆サイレージ2kg、煮熟澱粉粕2kgのほかに次の 配合
　　　　　　　　飼料2kgを与えた。玉蜀黍20%、米糠25%、魚粕20%、大豆粕10%、コロイカル1.5%、塩若干である。
　　その給与飼料成分は次の如くである。

区分	赤クローバー サイレージ給与群(g)	澱粉粕加青刈 大豆サイレージ給与群(g)	煮熟澱粉粕 給与群(g)	必要養分量(g)
固形分	2236	2158	2148	1980
可消化蛋白質	515	508	490	252
可消化養分総量	1641	1521	1521	1800