【指導奨励上参考に資すべき事項】

薄荷「北交1号」に関する試験成績

特用作物第二研究室 北見支場

 

新品種名  万葉

 

 この品種は昭和22年旧札幌農事改良実験所北見試験地に於いて、交配組せ、南通×赤円の種子を実生育成し、爾後選抜を重ね、系統番号「北交1号」として生産力検定中のものであったが、本年2月 優良品種に決定して万葉と名付せられたものである。

 (イ) 本品種の収穫適期は9月下旬で赤円に比較して2週間程度遅いが、耐病性及び越冬性が極めて強く、銹病による被害は少ない。萌芽も良好で種根量も多いから増殖早い。
 (ロ) 取卸油量は従来の品種より遙かに多く、最近2ヶ年の試験成績では北進に比べて約3.5倍を示し、昭和27年の下湧別、東藻琴の地方委託試験においても赤円に比較して約6割近い増加を示している。脳分は赤円と北進の中間程度である。
 (ハ) 耐虫性や施肥、生育領域などによる変異は対照品種と大差なく、多肥栽培すると倒伏も易い。将来この品種が普及するに伴ってその特性に適応した栽培体系をとる必要があろう。

  特性調査成績
品種名 葉形 葉色 葉柄 垂否 毛茸 茎色 草丈 枝亜数 葉数 収穫期 銹病 倒伏 越冬性
北進 稍披針 稍垂 90 21 250 9月上
赤円 披針 濃緑 新緑 81 13 383 9月上 なし
万葉 稍濃緑 淡赤紫 95 23 954 9月下