【指導奨励上参考に資すべき事項】

1.　試験方法
　(1)　試験供用のルーピンは別に単作栽培し搬入鋤込みした。
　(2)　鋤込地は準備地として無肥料で燕麦を栽培した。
　(3)　全量、地上、地下部別に細断して鋤込みを行った。
　(4)　鋤込期、昭和25年9月21日、昭和26年10月1日
　(5)　肥効試験の場合は堆肥及び窒素は施用せず共通肥料として陌当過石240kg、加里75kg施用す。

2.　供試品種　　春播小麦　春播小麦農林29号
3.　試験結果　　全量、地上、地下部共鋤込量多い程優るを示した。又全量鋤込区に比較すれば、地上部鋤込区は反当800貫以下では劣るもそれ以上では大同小異で地下部では大差はない。更に反当堆肥300貫施用区と比較すれば孰れも概ねルーピン反当800貫以上の鋤込量の場合に於いて稍優ることとなる。
　その試験成績は次の通りである。
　ルーピン鋤込量別試験成績　（自　昭和26年　　　　至　昭和27年)

　　い、生育調査（2ヶ年平均）

区別		播種期 (月日)	発芽期 (月日)	出穂期 (月日)	成熟期 (月日)	草丈(cm)		茎数(本)
						出穂始	成熟期	出穂始	成熟期
全量 鋤込区	無緑肥区	4.30	5.8	6.25	8.2	59.8	90.3	40	38
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	4.30	5.8	6.25	8.2	61.2	92.8	41	40
	〃　　　　400　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	66.5	93.6	42	40
	〃　　　　600　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	65.4	85.9	43	42
	〃　　　　800　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	63.4	92.3	44	40
	〃　　　　1000　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	65.1	95.9	44	43
	堆肥反当300貫施用区	4.30	5.8	6.25	8.3	65.8	94.3	42	41
地上部 鋤込区	無緑肥区	4.30	5.8	6.25	8.2	59.8	90.3	40	38
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	4.30	5.8	6.25	8.3	62.7	91.5	41	40
	〃　　　　400　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	62.1	93.0	42	39
	〃　　　　600　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	63.5	94.7	43	43
	〃　　　　800　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	65.4	98.1	44	43
	〃　　　　1000　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	64.7	98.1	45	44
	堆肥反当300貫施用区	4.30	5.8	6.25	8.3	64.1	96.0	44	43
地下部 鋤込区	無緑肥区	4.30	5.8	6.25	8.2	59.8	90.3	40	38
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	4.30	5.8	6.25	8.2	61.9	93.4	41	38
	〃　　　　400　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	62.8	93.4	41	40
	〃　　　　600　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	64.0	94.5	42	40
	〃　　　　800　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	64.5	96.4	41	41
	〃　　　　1000　　　〃	4.30	5.8	6.25	8.3	67.2	96.7	41	40
	堆肥反当300貫施用区	4.30	5.8	6.25	8.3	67.0	97.1	44	41

　　ろ、収量調査

区別		陌当子実収量					全量鋤込区に 対する各処理 区の収量割合(%)
		昭26 (kg)	昭27 (kg)	平均 (kg)	無肥料区に 対する割合(%)	堆肥施用区に に対する割合(%)
全量 鋤込区	無緑肥区	1280	951	1116	100	75
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	1381	1224	1303	117	87	100
	〃　　　　400　　　〃	1389	1310	1350	121	91	100
	〃　　　　600　　　〃	1489	1388	1439	129	97	100
	〃　　　　800　　　〃	1631	1447	1539	138	103	100
	〃　　　　1000　　　〃	1738	1514	1626	146	109	100
	堆肥反当300貫施用区	1536	1444	1490	134	100	100
地上部 鋤込区	無緑肥区	1280	951	1116	100	69
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	1463	1033	1248	112	77	96
	〃　　　　400　　　〃	1537	1064	1301	117	81	96
	〃　　　　600　　　〃	1655	1137	1396	125	87	97
	〃　　　　800　　　〃	1899	1402	1551	139	96	101
	〃　　　　1000　　　〃	2049	1446	1748	157	109	108
	堆肥反当300貫施用区	1731	1390	1611	144	100	108
地下部 鋤込区	無緑肥区	1280	951	1116	100	74
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	1286	1271	1279	115	85	98
	〃　　　　400　　　〃	1385	1379	1382	124	72	102
	〃　　　　600　　　〃	1398	1484	1441	129	96	100
	〃　　　　800　　　〃	1446	1572	1509	135	100	98
	〃　　　　1000　　　〃	1524	1735	1630	146	108	100
	堆肥反当300貫施用区	1509	1504	1507	135	100	101

　　は、その他の調査

区別		一立重			千粒重
		昭26 (g)	昭27 (g)	平均 (g)	昭26 (g)	昭27 (g)	平均 (g)
全量 鋤込区	無緑肥区	716	726	721	37.2	31.5	34.4
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	726	738	732	38.1	30.9	34.5
	〃　　　　400　　　〃	725	730	728	36.4	30.6	33.5
	〃　　　　600　　　〃	725	730	728	38.2	37.4	37.8
	〃　　　　800　　　〃	730	726	728	37.1	30.9	34.0
	〃　　　　1000　　　〃	725	730	728	36.9	30.9	33.9
	堆肥反当300貫施用区	720	728	724	34.0	30.5	32.3
地上部 鋤込区	無緑肥区	716	726	721	37.2	31.5	34.4
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	720	730	725	38.5	31.6	35.1
	〃　　　　400　　　〃	705	728	717	37.7	31.8	34.8
	〃　　　　600　　　〃	730	725	728	39.6	33.0	36.3
	〃　　　　800　　　〃	725	730	728	39.0	32.4	35.2
	〃　　　　1000　　　〃	720	725	723	39.5	32.3	35.9
	堆肥反当300貫施用区	720	730	725	36.4	31.4	33.9
地下部 鋤込区	無緑肥区	716	726	721	37.2	31.5	34.4
	ルーピン反当200貫搬入鋤込区	720	725	723	37.9	31.8	34.9
	〃　　　　400　　　〃	725	730	728	38.4	30.7	34.6
	〃　　　　600　　　〃	730	731	731	38.8	30.5	34.7
	〃　　　　800　　　〃	727	725	726	38.5	30.6	34.6
	〃　　　　1000　　　〃	727	730	729	39.7	31.3	35.5
	堆肥反当300貫施用区	730	728	729	37.7	31.1	34.4