【指導奨励上の参考事項】

燕麦「黒実1号」に関する試験成績

天北支場

 

1. 特性の概要
 黒実1号は草型は中間型穂型は散穂で黒実に比べ出穂期成熟期は大差なく草丈穂長は稍々短く茎数はやや多目、茎は太く茎稈は特に強剛で耐倒伏性が強い。子実の色は濃黒褐色で品種は中であり、赤カビ病斑葉病も少ない。収量は天北支場二ヶ年平均では「ビクトリー1号」に比べ3割黒実より1.8割増収を示した。特に本種は強稈で確収性があるので天北地方に現在栽培されている「ビクトリー1号」「前進」に適宜配合して栽培する品種として奨励したい。

2. 試験成績
  (1) 生育調査  自昭和28年 至昭和29年 2ヶ年平均
品種名 出穂期
(月日)
成熟期
(月日)
生育
日数(日)
稈長
(cm)
穂長
(cm)
茎数
(本)
倒伏 斑葉病及び
赤カビ病
黒実1号 7.17 8.26 121 116.4 25.1 44 無-中 微-少
黒実 7.18 8.26 121 118.2 20.7 43 微-中
ビクトリー1号 7.19 8.25 120 114.4 21.3 45 微-甚

  (2) 収量調査
品種名 1/10陌当子実収量(kg) 1/10陌当
稿稈重量(kg)
一立
重量(g)
千粒
重量(g)
反当俵数
昭和
28
昭和
29
平均 比率
黒実1号 340 441 391 130 502 401 29.5 9.8
黒実 298 395 347 112 485 397 28.7 8.7
ビクトリー1号 229 396 313 100 434 392 29.9 7.8