【普及奨励事項】
薄荷に対する前後作に関する試験
道立農試、北見支場 |
1. 目的
薄荷作付体形確立の一環として新品種に対する前後の適作物を選定しようとする。
2. 考察
試験の成績によれば裸麦をつかっての前作物の種別による収量は、前々作物にはほとんど関係なく、前作は馬鈴薯>小麦、大豆>薄荷となり、これから考えて新品種「万葉」は如何に吸肥性が高いかが推察される。
又薄荷を前々作とした裸麦の成績の結果から見ても、馬鈴薯の跡地が最もよく、大豆、玉蜀黍、と順次し、甜菜、小麦は劣る傾向が認められ、薄荷新品種の後作物としては、大豆、馬鈴薯が適していると考えられる。それ故に新品種の後作物には施肥に充分留意せねばならない。
3. 結論
以上の結果からみて、従来品種(赤円、北進)の試験成績から薄荷の前作物には、豆類、甜菜、後作物に麦類となっていたが、今後の新品種(万葉、涼風)を栽培する場合は、前作物に麦類、後作物に豆類、馬鈴薯とするのが適当であろう。
甜菜については今後輪作上考究すべきものと考えられる。
ⅰ) 生育調査(2区平均)
試験区別 | 収穫期調査 | ||||
28年(前々作物) | 29年(前作物) | 茎長(cm) | 穂長(cm) | 茎数(本) | 有効茎数(本) |
薄荷 | 大豆 | 65.4 | 6.1 | 88 | 50 |
〃 | 甜菜 | 67.3 | 6.1 | 85 | 48 |
〃 | 小麦 | 64.5 | 5.8 | 75 | 47 |
〃 | 馬鈴薯 | 69.5 | 6.8 | 96 | 63 |
〃 | 玉蜀黍 | 66.0 | 6.4 | 79 | 50 |
ⅱ) 収量調査 (2区平均)
試験区別 | 1区当り収量 | 1/10陌当り収量 | 千粒重 (反) |
1升重 (匁) |
1/10陌当り 俵数(俵) |
||||||
28年 (前々作物) |
29年 (前作物) |
総重 (kg) |
稈重 (kg) |
子実重 (kg) |
総重 (kg) |
稈重 (kg) |
子実重 (kg) |
同割合 (%) |
|||
薄荷 | 大豆 | 7550 | 3425 | 3196 | 415.3 | 188.4 | 175.8 | 100 | 26.4 | 344 | 2.93 |
〃 | 甜菜 | 6850 | 3055 | 2549 | 376.8 | 168.0 | 140.2 | 79 | 26.6 | 347 | 2.34 |
〃 | 小麦 | 6602 | 2868 | 2658 | 363.1 | 157.7 | 146.2 | 83 | 26.0 | 341 | 2.44 |
〃 | 馬鈴薯 | 8753 | 3906 | 3422 | 481.4 | 214.8 | 188.2 | 107 | 24.4 | 336 | 3.14 |
〃 | 玉蜀黍 | 6945 | 3003 | 2870 | 382.0 | 165.2 | 157.9 | 90 | 23.8 | 344 | 2.63 |