【普及奨励事項】
群馬式土室による稚蚕共同飼育

蚕業試験室  

 

 群馬県蚕業試験場で考案された土室式簡易稚蚕共同飼育室であって本道に於いても、北海道農業試験場始め、後志、桧山、空知、上川支庁管内の主要町村に施設普及に努め成果を挙げつつある。土室一基で2才まで200g、3才は100g飼育ができる。本道に於ける掃立時期は丁度農繁期に当たりますので、之が土室を利用数戸の稚蚕共同飼育で各戸より当番制で飼育することにより、各戸が労力の主力を普通農事に振り向け得らるる融通性があり、普通飼育に比し飼育経過も短く虫質、繭質も揃い作柄が安定されている。
 土室の構造は下図の通りである。

1. 鋸屑充填壁あああ 2. 蚕架 3. 蚕箔 4. 補湿用
5. 盛砂 6. 懸垂針金 7. 遮熱板あああああ 8. 排気口 ああああ
9. 吸気口 10. 補湿用吸水砂あああ 11. 12. 木炭
        (内径 間口2尺5寸  奥行3尺5寸)

 普通飼育を対照区とし、土室育との農業試験場に於いて試験した結果を概略すると下の通りである。但し、4才、5才は対照区も土室育も普通育とした。

経過日数並収繭量(飼育温度25℃、飼育湿度85%)
   一才 二才 三才 一~三才計 対掃之一万頭
当たり収繭量(貫)
食桑中 停食中 食桑中 停食中 食桑中 停食中 食桑中 停食中
対照区 3日
14時
1日
12時
5日
2時
2日
12時
1日
9時
3日
21時
3日
15時
1日
19時
5日
10時
9日
17時
4日
16時
14日
19時
4.775
土室区 3日
3.5時
1日
10.5時
4日
14時
2日
4時
1日
1時
3日
5時
3日
0時
1日
20.5時
4日
20.5時
8日
7.5時
4日
8時
12日
15.5時
5.180