【普及奨励事項】
高位泥炭地における新墾当初の深耕について

北海道立農業試験場美唄泥炭地研究室

 

 高位泥炭地にて新墾当初より機械開墾による場合深耕の程度と作物の生育との関係ならびに適当なる深耕程度を知らんとして行われたもので成績つぎの如くである。
 耕鋤深さは地表より5、10、15、20、25、30、35cmの七区としこれに昭和27年までは馬鈴薯と小豆を、その以降は燕麦、小豆、馬鈴薯を輪作して生育収量を調査するに作物の生育を見ると馬鈴薯では初年目は浅耕区発芽良く深耕区に優るが二年目以降には急速に20~25cm区が優り、就中燕麦、馬鈴薯では深耕区のものほど生育優る傾向を示す。
 以上の成績より高位泥炭地において新墾地の耕鋤は破砕その他の整地が十分でない場合には浅い場合が優るが機械開墾により深耕の場合は破砕に十分意を用いれば当初より20~25cmに深耕しても差し支えない。

 子実収量比
耕深(cm) 燕麦 馬鈴薯 小豆
5 100 100 100
10 102 98 90
15 114 101 107
20 126 113 124
25 132 125 118
30 130 116 117
35 127 109 111
備考 28、31年
2ヵ年平均
23、24、25、
27、30、
5ヵ年平均
23~27
5ヵ年平均