【普及奨励事項】
薄荷作業設置器について
北海道立農業試験場農機具試験室 |
薄荷新品種の栽培に当たっては作条を設置することが奨励されているが、普通のカルチベーターを以ってしては完全に作条設置することは困難である。最近構造の簡単な作条設置器が考案作成されたので、その性能を紹介し農家の購入の参考に供したい。
Ⅰ 供試機
若杉式作条設置器 | 1畦用 | 遠軽町 遠軽鉄工場製 |
同上 | 3畦用 |
構造は普通のカルチベーターと全く同一でただ爪のみが異なる。L字型の削除刃(切断刃)7本、円板(削除部分と立植部分との境界を判然とさせる)2板山刃(安定を良くさせる)1本が取り付けてある。
Ⅱ 試験地とその状況
遠軽町 北海道農業試験場作物部特用作物第3研究室に隣接する農家の圃場で、壌土で非常によく乾燥していた。
「万葉」の連作3年目の圃場であり、萌芽数は反当17.8万本であった。
Ⅲ 試験方法
削除幅(削幅)1尺4寸。立植幅(植幅)4寸として前記4種の機具により5月28日に作条を設置した。6月18日に作条設置状況(萌芽の切断状況)を調査した。
Ⅳ 試験成績の概要
1 牽引抵抗力について : 若杉式1畦用50kg、普通カルチベーターkg、若杉式3畦用96kg、普通カルチベーター3畦用144kg
2 作条設置状況について : 完全に切断されたものの本数割合、若杉式1畦用93.0%、普通カルチベーター28.5%、若杉式3畦用62.0%、普通カルチベーター3畦用24.3%
3 以上の成績から若杉式作条設置器は実用に適するものと認められる。