【指導上の参考事項】

Ⅰ　指導上の注意
　泥炭地(反当10立坪客土)水田における窒素の適量は試験の結果では、窒素反当1貫100匁区が玄米収量でもっとも高くなっているが、窒素用量の多い場合生育量が大きい反面藁重に対し籾重が劣り、年により倒伏をみ青米歩合高く品質を損する傾向があるので、反当窒素700～900匁程度が適当である。
　また、燐酸は施用量を増すにしたがい生育並びに作況が進歩する。ことに穂孕み期頃から燐酸用量が多いほど茎葉が黄色を増し、登熟もまた良好で、青米歩合も少ないが、収量では反当燐酸1000匁区が優り、ほぼこの程度を適量と認める。

Ⅱ　試験成績(昭和30.31.32年　3ヵ年平均)

窒素 用量		区別	出穂期 (月日)	成熟期 (月日)	成熟期		倒伏	陌当収量			玄米 一升重 (g)	玄米 1000 粒重(g)
					草丈 (cm)	茎数 (本)		玄米重 (g)	同比 (%)	ワラ重 (kg)
	1	O	8.8	10.3	89.0	9	無	3206	88	3816	387	22.7
	2	－N	8.6	9.29	93.9	10	〃	3645	100	4511	388	22.2
	3	N　300匁	8.10	9.28	92.1	11	〃	3801	104	4576	390	22.3
	4	N　500匁	8.9	9.29	96.4	12	極少	3755	103	4643	392	22.3
	5	N　700匁	8.10	9.29	96.8	12	〃	3896	107	4919	392	21.3
	6	N　900匁	8.10	9.30	97.5	12	少	3874	106	5002	390	22.0
	7	N　1100匁	8.10	9.30	96.7	12	〃	4052	111	5251	390	22.0
燐酸 用量	1	O	8.7	10.2	90.2	8	無	3281	92	4046	389	23.1
	2	－P	8.7	10.3	94.4	10	〃	3562	100	4113	388	22.8
	3	P　400匁	8.6	10.2	96.6	11	少	3870	109	4587	391	22.4
	4	P　600匁	8.6	10.2	96.5	11	〃	3858	108	4489	388	22.3
	5	P　800匁	8.6	10.2	97.5	12	〃	3942	111	5025	388	22.2
	6	P　1000匁	8.6	9.30	98.7	12	〃	4037	113	4959	389	22.1
	7	P　1200匁	8.6	9.30	96.0	12	極少	3923	110	4809	389	22.2

　　備考　(1)　共通肥料　　N800匁(硫安)　　P1200匁(過石)　　K1000匁(硫加)
　　　　　　(2)　供用品種　　石狩白毛