【指導上の参考事項】

雄武経営試験場成績について

北海道立農業試験場経営部
北海道立農業試験場北見支場

 

 年間平均気温5.4℃、農期間の平均気温14.7℃で、気候的に恵まれず、しかも重粘堅密、強酸な雄武地方における開拓営農確立の条件を昭和15年以来試験した結果の概要は次のとおりである。

 

 1. 当地方における自然条件を改善することが、根本的前提条件であること。すなわち排水、酸性矯正、有機物の贈与、深耕等一連の地力培養対策が本地方の経営確立に絶対必要な
   こと。

 2. 当地方の安全作物で、相対的に有利とみられる作物は麦類、燕麦、野菜類、牧草類であるが、絶対的反収は低く殖産収入は期待できたない。

 3. したがって当地方の快適な経営方式としては主畜経営より以外考えられない。しかも乳牛は最低成牛5頭以上の規模を必要とする。

 4. 経営試験農家の例によると260万円程度の補助及び投、融資が行われているが、とくに開拓入地当初に集中的投資を行い、できるだけ早く生産基盤の確立(土地改良、畜舎施設等)
   及び経営組織の完成(家畜の整備等、生産方式の方向確立)に努めなければ、本地帯の開拓営農確立は極めて困難である。